荒川区民に「荒川グルメといえば?」と尋ねると、多くの人が「もんじゃ焼き」と答えます。
荒川区はもんじゃ発祥の地ですよ、と区民は聞かされて育つのですが、都内に住む多くの人は「もんじゃ焼きと言えば月島(東京都中央区)」と思っていることでしょう。発祥であろうがなかろうが、荒川区のもんじゃは美味しい。下町の雰囲気も含めてもやはり一番美味しいのです。
食の楽しみ方はひとぞれぞれ。特別な何かは無いけれど、ちょっと個性的だったり、変わっていたり、ほっとひと息つける場所。そんなモノづくりの街・荒川を支える「荒川グルメ」を探訪してご紹介していくコーナー、それが「荒川グルメ探訪」です。
羽二重団子 本店
JR・京成電鉄・日暮里舎人ライナーが行き交い、繊維街や夕焼けだんだんなどレトロな雰囲気が味わえる観光スポットしても有名な日暮里。そんな日暮里の土地に、江戸時代から人々に愛され続け、日本の文学作品とも関わりが深いお団子屋さんがありました。
日暮里駅東口より徒歩5分。駅近くでありながらザワザワとした慌ただしさを感じさせない、ゆったりとした時間の流れる羽二重団子本店。老舗ならではの店構え且つスタイリッシュな外観で、「王子街道」と書かれた古い石柱や、団子の由来が書かれた木製の看板など、歴史を感じられるものがいくつか通りに並んでいました。
角には「王子街道」という道標
歴史を感じる木製看板
2019年5月にリニューアルされたこちらのお店。店内には昔使用されていた商屋特有の引き出し階段や彰義隊の槍など、お店の歴史を感じられるものが多数展示されています。
まるで博物館みたい!
光がふんわりと入り込む店内はとても気持ちの良い空間で、店内からガラス越しに美しい坪庭を眺めることが出来ます。
明るく気持ちの良い店内
元々本店のお庭にあった赤石や青石、水辺も!
坪庭に置かれている赤石や青石は、もともと本店のお庭にあったものなのだとか。坪庭の隣には、先祖代々祀られてきた藤稲荷大明神がありました。リニューアルされた今でも大切に祀られているそうです。
先祖代々大切に祀られている藤稲荷大明神
こんなに気持ちの良い空間でお団子と真剣に向き合う時間を作れるのは、なんとも贅沢ではないでしょうか?私たちもステキな店内で羽二重団子をいただいてきました。
羽二重団子のお団子
夏目漱石や正岡子規といった文化人にも愛されて、作品にもたびたび登場していることから“文豪も愛した東京名物”として親しまれてきた羽二重団子。口に含むと焼きの香ばしさと生醤油特有の爽やかな香りが広がる焼き団子と、甘味が抑えられたサラリとした餡で包まれた餡団子の2種類の味があります。
羽二重団子(煎茶付き) 2本 ¥604(税込)
羽二重団子のお団子は、米の粉を湯でこねて蒸し、杵と臼でよく搗くといったシンプルな作りだそうですが「よそが300搗くなら、うちは600搗け」といわれるほど、たくさん搗くことがポイントだそうです。よく搗くことによって、練って蒸して丸めただけのお団子では出せないシコシコとした食感やお餅にも似た伸びが出せるのだとか。
羽二重団子は昔「芋坂の団子」と呼ばれていたそうで、ある時お客さんに「きめが細かくてまるで羽二重のようだ」と言われた事がきっかけで、そのまま「羽二重団子」という菓名、商号となったそうです。
羽二重団子の特徴の一つはこの見た目。ムギュッとつぶされたような扁平な形の理由は、お供え物に使われる丸い団子を庶民が口にするのは畏れ多いため、平たくしたという説がありました。なるほど!と思いつつも、なんだか謙虚でステキな考えに感じました。
香ばしい香りが食欲をそそる焼き団子
焼き団子 1本 ¥302(税込)
生醤油つけ焼きの「焼き団子」は、お茶はもちろんお酒との相性も抜群。焼き団子をお酒のあてとして楽しまれる方もいるそうで、文人の岡倉天心もその一人だったとか。醤油の香ばしい香りと共に、冷酒など甘味のあるお酒をいただくのはなんとも贅沢な気持ちになれそうです。
上品な甘味の餡団子
餡団子 1本 ¥302(税込)
甘さ控えめの餡だんごは焼き団子よりも団子が小さめなので、パクパクといくつでも食べれてしまいそうなおだんごです。べたつかず、サラサラとした食感のこし餡は、とても上品なお味。
焼き団子も餡団子もそれぞれ違った美味しさがありどちらもおすすめ!ぜひみなさんも店内で2種類、試してみてはいかがでしょうか?
おもたせとしても最適!東京土産としても◎
羽二重団子のお団子は店内で食べるのはもちろん、おもたせとしてもおすすめ。荒川探訪編集部も取材の後に色々と物色してきました。
老舗ならではのお手提げ袋も良い感じ
荒川探訪編集部 Pick up①
みんなで食べたいミニ団子折箱(餡・焼き/各5本)
通常4粒の羽二重団子を半分の2粒にしたサイズ感は見た目もかわいく、みんなでちょっとずつ食べたい時に最適です。
ミニ団子折箱(餡・焼き/各5本)¥1,730(税込) ※お日持ちは当日限りになります。
2段パッケージ
荒川探訪編集部 Pick up ②
自分へのご褒美にも最適!漱石もなか
かわいらしい猫型のもなかの皮にしづくあんを自分でサンドする「漱石もなか」は、夏目漱石の「吾輩は猫である」に因んで作られたもの。自分へのご褒美としてお持ち帰りしたくなってしまいます。
漱石もなか(1個)¥378(税込) ※お日持ちは当日限りになります。
自分でもなかに入れるのもちょっとした楽しみ
荒川探訪編集部 Pick up ③
辛くない!?オリジナルの七味
老舗の七味唐辛子メーカー八幡屋礒五郎(創業1736年)さんとのコラボで作られた羽二重団子オリジナルの七味。
辛くない・風味を楽しむ目的として誕生した七味は、焼き団子にふりかけて食べたくなる一品です。
羽二重団子オリジナル七味 ¥864(税込)
早速ミニ団子(焼き)にかけていただきました。
自分へのご褒美に。大切な人へのお土産に。いろいろな用途で活躍しそうですね。
長く愛され続ける羽二重団子のお団子、これからもきっと変わらぬ美味しさで人々に愛され続けることでしょう。私もまたあの贅沢な時間を味わいに、お店へ伺いたいと思います。
【お話を伺った方】 羽二重団子七代目・澤野修一さま
羽二重団子 本店
営業時間:
平日 9:30〜16:30(ラストオーダー 16:15)
土日祝10:00~16:30(ラストオーダー 16:15)
定休日:無休
TEL:03-3891-2924
住所:〒116-0014 東京都荒川区東日暮里5-54-3
ホームページ:https://habutae.jp
Instagram:@habutaedango_official
Facebook:https://www.facebook.com/羽二重団子-179922242053348/
モノづくりの街・荒川の地域情報サイト「荒川探訪」では、荒川区の気になる情報をご紹介しています。
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これまでに取材したお店などのスポットは荒川探訪マップにまとめています。付近の散策や荒川探訪ルートを考えたりするのにぜひご活用ください。
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