荒川区民に「荒川グルメといえば?」と尋ねると、多くの人が「もんじゃ焼き」と答えます。
荒川区はもんじゃ発祥の地ですよ、と区民は聞かされて育つのですが、都内に住む多くの人は「もんじゃ焼きと言えば月島(東京都中央区)」と思っていることでしょう。発祥であろうがなかろうが、荒川区のもんじゃは美味しい。下町の雰囲気も含めてもやはり一番美味しいのです。食の楽しみ方はひとぞれぞれ。特別な何かは無いけれど、ちょっと個性的だったり、変わっていたり、ほっとひと息つける場所。そんなモノづくりの街・荒川を支えるグルメを探訪してご紹介していくコーナー、それが「荒川グルメ探訪」です。
大食い自慢達の集う下町の人気中華!
下町ならではのレトロな風情で、魅力溢れる佇まい。
今回、満を持して紹介するのは、荒川区荒川にある「光栄軒」です。デカ盛りで有名なこのお店は、1977年に開業し、今年でなんと47周年を迎える老舗の町中華です。
場所は、都営バス「荒川三丁目バス停」から徒歩1分という好立地、荒川区役所の近くにあります。
卓上占いが置いてあり、昭和を感じさせる懐かしい雰囲気。
カウンター6席と座敷テーブル12席のこじんまりとした店内には、店の歴史を物語るかのように多数の有名人のサインが壁に飾られています。これらのサインは訪れる人々にとって一種の名物となっており、店の人気ぶりを象徴しています。
店主の浅見さん
店主の浅見さんは、毎日朝5時半にはお店に来て仕込みを始めます。夜は10時までお店で働いているとのこと。
光栄軒には、1日平均200人ものお客さんが訪れますが、浅見さんはその多くのお客さんの料理を一人で作っています。
物価が高騰するこの時代にあっても、低価格で大盛りの料理を提供し続ける理由を尋ねると、「お客さんにお腹いっぱいになってほしいからね、値段を上げるのはお客さんに申し訳ない」と語る浅見さん。そのサービス精神と情熱が、多くの人々に愛され続ける理由なのでしょう。
実は、浅見さんはこれまでYouTubeやテレビの取材をすべて断ってきたそうです。しかし、今回は「荒川のためになるのであれば」と、特別に荒川探訪の取材を引き受けてくださいました。
2年前に34年ぶりの値上げを行ったとのこと。それでもこの価格!十分に安いです。
おすすめのラーメンセットはボリュームたっぷり750円
さっそく注文!「特盛チャーハン」
手際のよい腕でチャーハンを作り始める浅見さん。その動きには、長年の経験と真心が感じられます。
まず最初に作ってもらったのは一番人気のチャーハンです。
しかも、メニューには載っていない隠れメニューの「特盛り」!
ネットや口コミで「特盛」が広まり、今では一日に10食は注文が入るのだとか。
ちなみに、最近では「特盛」を注文する女性のお客も増えており、女性の方でも完食される方は沢山いるみたいです。
通常サイズは700円(税込)で2.5合、大盛りは950円(税込)で4合、そして特盛りは1,200円(税込)で5合もあるそうです。
5合というのは、大人用の茶碗でなんと10杯分に相当します。
重たい中華鍋を豪快に振る姿は圧巻。
5合分のお米と特大中華鍋を豪快に振り続ける浅見さん。腱鞘炎にならないように、手首を使わずに鍋を振っているとのこと。
チャーハンの具であるチャーシューは一つ一つが特大サイコロのようなサイズです。
使用するチャーシューは1日に10キロ!お客さんに喜んでもらうためになるべく大きく切って提供されているそうです。
完成!圧巻の特盛チャーハン
特盛チャーハンとサイズ比較用に並べたつまようじ入れ。
折角なので通常サイズのオムライスも注文!
通常サイズでも2.5合のお米を使用します。通常サイズ800円(税込)
このご飯の量、無事卵に包まるのでしょうか!
何度も書きますが、これで通常サイズです。ケチャップライスのいい香りがします。
通常サイズのオムライス完成!
通常オムライスと比較用のつまようじ入れ。
これで通常サイズ!見事きれいに包まれました。昭和の町中華らしい薄焼き玉子のオムライスです。香ばしいケチャップの匂いが食欲をそそります。
光栄軒の二大巨頭
並べるとすごい迫力です。
いざ実食!
お皿に山盛りになった特盛チャーハン、そのボリューム感にまず目を奪われます。大きなチャーシューがゴロゴロと贅沢に散りばめられ、見た目からして食欲をそそります。
一口食べてみると、シンプルながらも奥深い味わいが広がります。炒飯の基本をしっかりと押さえた味付けで、塩加減が絶妙です。お米一粒一粒に油がしっかりと絡みつき、パラパラとした食感が心地よい。
そして、何よりも特筆すべきはチャーシューの存在感。大ぶりのチャーシューの柔らかさとジューシーさがたまりません。しっかりと味が染み込んだチャーシューは、チャーハンの風味を一層引き立てます。
全体的に、昔ながらのシンプルなチャーハンながらも、一つ一つの素材にこだわりが感じられる逸品です。
お次はオムライス。特徴的なのは、洋食の半熟オムライスではない、町中華の薄焼きの卵で包まれたこの姿。
お皿に盛られたオムライスを見ると、薄焼きの卵がしっとりとチキンライスを包み込んでいます。その下には、シンプルながらもケチャップライスがふんわりと盛り付けられ、昔ながらの味わいを予感させます。
スプーンを入れると、薄焼きの卵がふわりと崩れ、中からケチャップライスが顔を出します。卵の薄さが食欲をそそり、口の中で半熟の卵とはまた違った食感が楽しめます。
口に運ぶと、口の中で卵がほどけ、ケチャップライスと一体化します。その時に感じるのは、卵の優しい風味とケチャップライスの甘酸っぱさが絶妙に調和した味わい。それぞれの素材が引き立ち、奥深い味わいを楽しむことができました。
シンプルながらも懐かしさを感じさせる、昔ながらの味わいを堪能することができる、そんなオムライスです。
あと少しなのに…
大食い自慢の私でも、光栄軒のチャーハンとオムライスの両方を完食するのはさすがに難しい…。
それでも、何とかオムライスだけでも完食しようと最後の一口まで頑張りましたが、とうとう限界に達し、ここでリタイアとなりました。残念に思いつつも、浅見さんにお願いしてテイクアウト用のタッパー(30円)をいただき、残りの料理を詰めて持ち帰ることにしました。
持ち帰った料理はその晩、家でゆっくり味わいながら、光栄軒のボリュームと美味しさを改めて実感しました。次回こそは、万全の準備をして再挑戦しようと思っています!
夫婦二人三脚で
店主の浅見さんと奥様の久枝さん
光栄軒
営業時間:火・水・木・金 11:00~15:00 17:00~20:30
土・日・祝 11:00~19:30
定休日:月曜日
TEL:03-3806-4924
住所:東京都荒川区荒川2-4-3
モノづくりの街・荒川の地域情報サイト「荒川探訪」では、荒川区の気になる情報をご紹介しています。
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