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町工場

【デザイナーとのコラボレーション企画】石川金網 × 森田敏昭 ~後編~

石川金網株式会社石川幸男さん ロングインタビュー後編です。「前編はこちらから」
(インタビュー・文 山口ミルコ)

マンションに使われるもの?

石川:ええ、超高層マンションの手すりです。手すりって流行があって。昔タテ格子だったのおぼえてます? いまの流行はなにかっていうとガラスなんですね、透けているのとそうでないの両方あります。 そういったガラスがいまの流行りなんだけど、その前の流行りが、ウチのこのパンチングメタルだった んですよ。30階とか50階とかの高層マンションって、中が空洞になっている所が多いでしょう。ホテルとかでも回廊になっていたりしますよね。そうした高層建物の、外側だけでなく内側の手すりなんかもやらせてもらうと、一棟たつごとに数千万円っていう、いい仕事がいっぱいあった時代でした。

社長が30代半ばっていいますと・・

石川:90年代くらいですかね。バブルがはじけたあと、それが出てきたので、なんとかそれでしのいで。 でも、投資がけっこう大きかったのです。まず機械にお金かかります、大きい機械でね。 貸し工場が厚木にあり、その賃貸費用もけっこう高かったので、儲かるというほどではなかったんです。 設備が大きい分、量は出るけど。量が多いと値段も下げられてしまいますしね。大きい仕事をやっていると派手に見えるけれど・・・いまみたいに少量多品種のほうが儲かります。ドカンっていうのをやるより、多様なものをコツコツとやっているいまのほうが、利益率は高いのです。

「ドカン」から「コツコツ」へ。

石川:ええ。品数を増やして、お客さんの分野を増やして、その周辺も取り込んでいく―と。 自分のところでできないものは協力工場に頼むとか・・・そのようして事業ドメインを広げていって半分商社的な企画開発会社といいますか、そういうふうに変わっていってますよね。


金網を打ち抜いて、丸い押し出し機用フィルターを製造。

検査作業場。
製品は出荷前に綿密なチェックを受ける。

これもプレス機。横から見たところ。

2000年前後くらいですか、やっぱり中国が・・・
人海戦術じゃないですけど大量に安くっていうのが増えてきて・・・

石川:そうですね、中国にとってかわられてしまったものがありますよね。とくに自動車部品がそう。うちもけっこうやっていました。「オイルフィルター」とか、「カールトップカバー」といって、ボンネットの先端に以前は金網がついていたんです、寒冷地用のクルマに。北米だとかヨーロッパ向けの クルマの、雪対策ですね。そうしたものもいまは過剰部品となって、フィルター関係も、国内じゃなくて中国へ行ってしまったり、どんどんなくなっていきました。

その一方で、生まれてきたものがありますね。
どのようなものでしょうか?

石川:そうですね、いろいろあるのですがたとえば 直径2メーターの大型のふるいとか。ふるいはね、ほんとにいろんなところに使われています。

食品とか医薬品とか?

石川:ええ、化学関係もあるし塗料もあるし・・・もうあらゆる分野で。私たちの業種は一般人の目には触れないし、見てもわからないかもしれませんが。でも、人がわかんないことをやるのが私たちには楽しいんだから(笑)。

なるほど、じゃ、わからなくていいんだ(笑)

石川:わからなくていいんです(笑)。

同業他社の交流って、やっぱりあるんですか?

石川:はい、もちろんありますけれど、それもなかなかわからないようになっているんですよ。みなさん独占でやってるんで。みなさんそれぞれのノウハウをもっています。

面白いですねえ、同業他社の世界。

石川:金網の会社は全国にあって、もちろん交流があります。うちは荒川区では大きいほうですけど、金網で大きいところはもっと大きいですから。うちは小さいほうなんですよ。

そんなに金網業界が大きいとは。
考えたことなかったですけど。
金網ってよく考えたら、生活のあらゆるところに使われていますものね。
家のなかでもちょっと見ると、あ、こんなところに!って。

石川:そうなんですよ、金網って需要がすごいありますから。

それでも、たいへんだった時期ももちろんあって。
たとえばリーマンショックとか?
世界であんなことがあり、日本の経済も急速に縮小に向かい・・・という時期を乗り越えてこられたのですよね。

石川:リーマンはたしかに厳しかったですね。リーマンから東日本大震災にかけて。とくに自動車関係。日本は自動車が基本産業ですからね、自動車が売れないと・・・いまだにそういう構造。

先日の報道によると、2030年代半ばには自動車をぜんぶ電気に変えると政府は言っておりますね。

石川:ええ、もうあちこちの会社に通達が出ていますよ、「あなたの部品はいつなくなりますよ」っていう。その下に付いている会社がどこもわりと大手です。自動車のマフラーとかあるじゃないですか、ああいうものもなくなってしまいますしね。エンジンがない、発電機になるわけですから根本的に変わっちゃう。自動車が家電製品に・・・ソニーさんやパナソニックさんが自動車をつくる時代になるのかもしれません。構造がぜんぶ変わるのですから、これまでと同じく自動車のことをやっていたら会社に新規の話はほとんどこないので、部品会社さんはちがう分野をめざしています。医療関係とか、これまでの技術を生かしてみなさんやっておられますね。

そうしたなかで、石川金網さんは上手に会社を変化させてこられて、時代の変化とともにオリジナルな少量多品種の道を進んでおられます。いま社長をいちばんワクワクさせているものはなんですか?

石川:そうですね、やはり今回の荒川区の企画は、とても楽しみですよ。自社ブランドを作っていくのが楽しいです、いまは。どんどん作っていこうって、思っています。

今回のこれ(ara!kawa project)が成功したら、いろんな企業さんや大学とのコラボレーションの機会もまた増えそうですね。

石川:ええ、商品ラインナップをいろいろ作っていきたいですね。

いま社員さんは何人ですか?

石川:社員は35名・・・パートさん含めて、です。

それは先ほどの― リーマンと震災、ですか。

石川:ええ。あの頃に比べれば、いまはぜんぜん楽です。うちはもう経験済み― 乗り越えてきちゃってるんで、たいへんなときを。だから今回のコロナも、うちはあまり影響ないです。すでに構造改革してあるので大丈夫。もしも前と同じに自動車をやっていたら、たいへんでしたけれど。すそ野が広いから、うちは平常通り。社員たちもいまはのんびりしているほうだと思いますよ。

 
溶接機には様々な種類があり、
製造するものにより用途も異なる。

   
1メートル幅で織った金網は
ロール状に巻かれて保管される。

ハッピーですね。

石川:ハッピーですよ。 若い人も入ってきてくれて、助かっています。

新入社員さん?

石川:去年2名とりました。荒川区が、会社見学ツアーというのをやってくれたのですが、そのツアーに来た若者です。それがいいシステムなんですよ。あれは荒川区独特のものですよね?(とインタビューに立ち会っていた荒川区職員の小嶋俊一さんへ話を向ける)

小嶋:あ、そうなんですか?

それ、誰がやってるんですか?

小嶋:石原久部長というぼくの上司です。就労支援課をふくむ産業経済部というのがありまして、そこのトップ。

石川:わざわざチラシをつくってくれてね。石川金網見学ツアーみたいなのをやってくれたんですよ。 私も一緒に工場まわって説明したりして。それで来 てくれた若手社員はいま、営業と製造、両方をやっています。 コロナが来る前って、就職の売り手市場だったじゃないですか。だいたい若い人みなさん大企業にいっちゃってウチなんか見向きもされなかったんだけど。そんななかウチが人をとれたのは、荒川区のおかげです。

すばらしい企画立案者とスタッフがいらっしゃるんですね、荒川区には。
今回のara!kawa もですけど、これから荒川区の企業さんにはたくさんいいことがありそうですね。そんななか、石川金網さんは再来年には100周年を迎えられます。みんなのあこがれじゃないですかー <100年企業>。しかもこんな時代に、いいかたちで残ってる。

石川: 来年どうなるかわからないですけど・・・いまのところうちのお客さんも安泰なので、よかったです。

松屋では、なにをいちばんアピールされたいですか?

石川:モノづくりの会社ってやっぱり技術なので、そこをアピールできれば。今回は特徴のある商品を出すので、おそらくそれ(展示)だけでも技術力は見えると思います。

(インタビュー終わり)

石川金網株式会社

石川金網は、1922年( 大正11年) 創業の金網専門メーカー。織金網、パンチングメタル、エキスパンドメタルなどさまざまな金網の加工品を製造しています。 フィルターや篩(ふるい)などの機械部品、フェンス、装飾の建築用品が主力製品ですが、近年では、異素材を組み合わせた金網「KANAORI」、布のように柔らかく紙のようにしっかり折れる金網折り紙「ORIAMI」を企画、製品化されています。

住所:〒116-0002 東京都荒川区荒川5-2-6
tel:03-3807-9761 fax:03-3807-9764
企業ホームページ: https://ishikawa-kanaami.com/
ORIAMI®ホームページ: https://oriami.jp/


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