荒川区民に「荒川グルメといえば?」と尋ねると、多くの人が「もんじゃ焼き」と答えます。
荒川区はもんじゃ発祥の地ですよ、と区民は聞かされて育つのですが、都内に住む多くの人は「もんじゃ焼きと言えば月島(東京都中央区)」と思っていることでしょう。発祥であろうがなかろうが、荒川区のもんじゃは美味しい。下町の雰囲気も含めてもやはり一番美味しいのです。食の楽しみ方はひとそれぞれ。特別な何かは無いけれど、ちょっと個性的だったり、変わっていたり、ほっとひと息つける場所。そんなモノづくりの街・荒川を支えるグルメを探訪してご紹介していくコーナー、それが「荒川グルメ探訪」です。
区内初!ブルワリー併設のレストラン
今回の荒川探訪では、JR日暮里駅・鶯谷駅から徒歩7分ほどの場所にある、ビール醸造所「オケイブルワリー (OKEI BREWERY)」を訪問取材!大きなサングラスの看板を掲げたちょっと気になる外観が目印。一度訪れれば誰しもがハッピーな気分になれてしまう、話題沸騰中のお店です。
席数はテーブル席が6つに、カウンターが8席。 ひとりでもふらっと入りやすい雰囲気が魅力です。
オケイブルワリーがオープンしたのは、遡ること2021年の10月。コロナ禍の影響で全国の飲食店が大打撃を受けていた時期にあたります。もともとは新橋でワインを主体とするお店を運営していた会社ですが、ビール作りのノウハウを1から学ぶことでブルワリーを開業。ピンチをチャンスに!新たなフィールドに踏み出しました。天井が高い物件を抑えたことも、醸造所を作る上での重要ポイント。荒川区初のブルワリーとして、たちまち多くのビールファンが訪れる人気のお店となりました。成田からのアクセスがよいことから、多くの外国人も訪れる日暮里の地。駅から少し離れてはいるものの、お店の情報を目にして訪れる観光客も増えています。
住宅街の中で一際目を引くオケイブルワリーの看板。 OKではなく、OKEI。 社長のお名前を音読みしたものが、名前の由来となっています。
オケイブルワリーのビールが作り出される醸造所内。今回は特別に内部も見学させていただきました。タンクの衛生管理がもっとも気を遣うポイントのひとつ。1樽分のビールを作るのに費やす時間は3週間からひと月ほどです。海外から仕入れたホップなど、多種多様な原料を配合。夏場はビールの需要が増える繁忙期であるため、醸造所もスタッフもフル回転で稼働します。
荒川発!オリジナルのクラフトビール
左から順に、 「荒川HAZYアンダーザブリッジ」 「オケペ!(OKEI PALE ALE)」 「日暮里ケルシュ」
ここからは、実際にオケイブルワリーで提供しているオリジナルビールのうち、おすすめの銘柄を厳選してご紹介!
「荒川HAZYアンダーザブリッジ」 アルコール度数6,5% Sサイズ 710円~
人気のIPA(インディア・ペールエール)から派生したスタイルで、柑橘系のようなフルーティー感が特徴の“HAZY IPA(ヘイジーアイピーエー)”。HAZY とは“濁っている”ことを意味します。他社では実際にフルーツ果汁を使用する場合もあるようですが、オケイブルワリーのHAZY IPAはホップの特性を活かしてフルーティさを表現したもの。グラスを傾けるとグレープフルーツのような爽やかな香りが鼻腔をくすぐります。荒川を舞台にした作品『荒川アンダー ザ ブリッジ』が名前の由来。軽快でコミカルな漫画の世界観をイメージしながら、楽しい気分でいただきましょう!
「オケペ!(OKEI PALE ALE)」 アルコール度数5% Sサイズ 610円~
オケイブルワリーの顔ともいえる「オケペ!(OKEI PALE ALE)」は、さわやかな飲み口としっかりした苦味が特徴。アロマホップの1種であるカスケードホップを使用しており、ホップの風味を最も明確に感じることのできる味わいとなっています。どれにしようか迷ったら、まずはこの一杯を!クラフトビール初心者にもおすすめしたいビールです。
「日暮里ケルシュ」 アルコール度数5% Sサイズ 610円~
一般的にケルシュとは、ドイツ・ケルン地方のケルシュ協定で認められたビールのこと。オケイブルワリーで醸造しているのは、ケルンスタイルをオケイ流に再現した“ケルシュ・スタイル”のビールです。先に紹介したHAZY IPAと比べるとしっかりとした味わいが特徴。すっきりと飲みやすくのど越しもよいため、何杯でもおかわりしたくなってしまいます。
地元の人々に喜んでもらえる“おらが村のビール”を作ろうと、それぞれの地名を冠したビール。ホップの配合によって変化する、その時その時の味わいが魅力です。オケイブルワリーでは、期間限定のビールや他の醸造所から仕入れたゲストビールも店頭に登場。いつ訪れても、常に新しい発見がありますよ!
オープンと同時に瓶詰めの機械は導入していたものの、人員不足でなかなか手が回らなかったという瓶ビール商品。オープンから約3年経った今、満を持して販売されることとなりました。現在、区内の飲食店にも出荷中。ご家庭でもオケイブルワリーの味が楽しめますよ!
オケイブルワリーの店長を務める藤田さん。 お店のSNSではいつも楽しいムードの藤田店長ですが、 ビールに関するインタビューにはいたって真面目に応じてくださいました!
お客さんからビールに関しての質問を受けた際には、スタッフも一緒に飲みながら考えることもあるのだそう。何をどう作ったかというプロセスよりも、その時感じたものをシェアしていきたいと、藤田店長は語ります。「味見をしながら…よく酔っぱらっています(笑)。」楽しいスタッフと近い距離感でビールの話ができるのも、オケイブルワリーの大きな魅力です。
フレンチの技が光る!絶品料理の数々
オケイブルワリーの自慢は、ビールとの相性を計算しつくした絶品料理の数々。料理担当の田中さんは、10年以上もの間フランス料理のお店で働いていた腕利きシェフです。フレンチの技を活かした本格志向のお料理から渋めの居酒屋メニューまで。おいしいビールとのマリアージュが展開されていきます。
「絶対食べて!鶏レバーの生姜煮」 610円(税込)
オケイブルワリーが「絶対食べて!」とおすすめするのが、絶妙な火の入り加減が肝である鶏レバーの生姜煮。なめらかでねっとりとした質感は、まるでフォアグラのよう!?上に盛られた生姜がほどよいアクセントとなっています。足し引きの計算し尽くされた美味しさに、ビールも進むこと間違いなし!訪れるたびにリピートしたくなる、至高の一品です。
「削りチーズとマッシュルームのトリュフ風味オムレツ」 1,110円(税込)
フレンチ出身田中シェフならではのメニューが、ふわふわ卵に超薄切りのマッシュルームがリッチな味わいの「削りチーズとマッシュルームのトリュフ風味オムレツ」。上に盛られているのはコクとうま味が特徴のグラナ・パダーノと、イタリアチーズの王様パルミジャーノ・レッジャーノ。細かく削られた2種類のチーズが、アツアツのオムレツに花を添えます。
「超絶濃厚!テリーヌショコラ」 610円(税込)
料理自慢のオケイブルワリーでは、なんとデザートのラインナップも充実。中でも一番人気は、とろりとした食感が幸せな気分にさせてくれる手作りのテリーヌショコラです。つぶつぶのカカオニブが本格志向。ビターな大人テイストは、黒ビールとも相性抜群です。フランボワーズピューレと生クリームで彩られた芸術品のようなビジュアルにもうっとり。一度食べたらやみつきになること請け合いの一品です。
「せっかく食べに来てくれるのであれば、自宅では簡単に作れないようなお料理を」と語る田中シェフ。普段頑張る自分へのご褒美に!贅沢な気分が堪能できるお料理ばかりが揃います。もちろん、紹介したのはメニューのほんの一部。2か月に1回ほどの頻度で更新される限定メニューも要チェックです。
ビール=サングラス?!
オケイブルワリーのアイコンでもあるサングラスの存在。「ビールといえば夏!夏といえばサングラス!」という発想から生まれたという、遊び心溢れるデザインです。ビア樽にもグラスにも、そこかしこにあしらわれたサングラスのイラスト。ビールを入れて持ち帰ることのできるグラウラーをはじめとしたオリジナルグッズも販売しています。ビール愛に溢れたフォトジェニックな店内。思わずグラスを傾けるペースも上がります。
かわらしいサングラスのイラストがオケイブルワリーの印。 重厚感のあるグラスが、ビールのおいしさを引き立てます。
店長の藤田さんをはじめとするオケイブルワリーのスタッフたち。とにかく取材中も和気あいあいと仲の良い様子が伺えました。写真撮影をお願いすると、スタッフ総出でこの通り。常にハイテンション!な、お店のインスタグラムでは各地イベントでの出店情報なども常に発信しています。
訪れればきっとゴキゲンな気分になれてしまう場所。「オケイブルワリー」にぜひ一度足を運んでみてくださいね!その際は、サングラスをかけての記念撮影もお忘れなく…🕶
オケイブルワリー日暮里(OKEI BREWERY)
営業時間:平日15:00~23:00 土日祝12:00~23:00
定休日:水 ※不定休アリ SNSか店頭でお知らせしています。
TEL:03-5615-2080
住所:東京都荒川区東日暮里5-37-4
Instagram:https://www.instagram.com/okei_brewery_nippori/
モノづくりの街・荒川の地域情報サイト「荒川探訪」では、荒川区の気になる情報をご紹介しています。
もし、荒川区の耳寄り情報や皆さんのオススメのお店などご推薦がありましたら、ぜひお気軽に荒川探訪編集部まで情報をお寄せください。もちろん、自分のお店を取材して欲しい、話を聞いて欲しいというご依頼も大歓迎です!
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これまでに取材したお店などのスポットは荒川探訪マップにまとめています。付近の散策や荒川探訪ルートを考えたりするのにぜひご活用ください。
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