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夏よりアツかった!製造業×学生の2週間「燃えるインターンシップ」(審査会レポート編)

「製造業がSDGsやグローバル化に取り組むとしたら、どんな未来が描けるのか?」

この夏「製造業 × SDGs × グローバル」をテーマに行われた「燃えるインターンシップ」。都内の大学生が製造業の課題を学び、未来に向けた提案を行うというものです。学生にとっては学びの機会に、企業にとっては未来を見据えるきっかけに。

その集大成となる審査会が、今年2025年は9月5日(金)に順天堂大学で行われました。荒川区からも多くの中小企業が参加し、荒川探訪では区内の企業、有限会社中央バフ製作所さんに密着することに。

▼前回の記事はこちらから

取材当初はインターンシップが始まったばかりで、まだこれから何が始まるのかわからないといった状態の中央バフの学生さんたちでしたが、いったい審査会ではどんな発表を見せてくれたのでしょうか?今回は、その審査会の模様をお届けします!

一日がかりの熱気あふれる審査会

審査会は9:50スタート、18:30ごろ終了という一日がかりの成果発表会。各学生9チームのプレゼンテーションに、参加企業9社からのコメント、イメージソング披露、結果発表と表彰、交流会など、盛りだくさんの内容です。

中央バフチームは「トラベラーズ」というチーム名を掲げ、11:15からスタートする第2ブロックでの発表でした。第1ブロックでは3チームが既に素晴らしい発表をしており、緊張した面持ちで出番を迎えた中央バフメンバー。

会社を“内側”から見て気づいたこと

業務体験や取引先見学に加え、社員さんとのカードゲーム交流、発想を広げるためのあらかわ遊園訪問など、さまざまな体験を通して「中央バフ」という会社を内側から見つめた学生たち。
そんな中で彼らが掲げたテーマは、サステナブルファッションを通して創業100年の企業を目指すというもの。ファッションが好きなチームとつなげたブランディング提案を軸に、中央バフの課題をSDGs・グローバルの観点から分析、「廃材をつなぎ合わせて布にし、商品化する」というユニークなアイデアを発表しました。


バフの廃材

具体的には、福祉作業所(B型支援所)などに廃材の縫製を依頼し、色とりどりの一点ものの布を制作。それをきんちゃく袋や日傘などにしてWeb販売してはどうか、というもの。
サステナブルなオリジナル商品の開発により、①中央バフの知名度向上、②破棄されるバフの再利用による環境課題解決、③海外進出における新たなアプローチ、を同時に目指すだけでなく、雇用を創出し、新たな市場進出をして中央バフの追加の収入源にもなり得るという未来を描いた発表でした。


傘のサンプルも作ってきていました。

最後は社長と撮ったプリクラで締められたプレゼン。この2週間で製造業の現場を体験しただけでなく、社長や社員との距離感含め「中小企業で働くとはどういうことか」を肌で感じたような、思いのこもった発表でした!

企業側も本気、学生も本気

全チームの発表後は、各企業の代表からコメントが。

中央バフの倉澤社長は、「本来なら学生は、海などで青春を謳歌しているはずの貴重な夏休みに、わざわざインターンシップに参加してくれている。だからこそ、どうやって楽しんでもらうかを一生懸命考えました。『海よりも楽しい、燃えるインターンシップ』を目指しました」と語りました。

他にも、学生の頑張りに感動したという声も多く、企業にとっても学びの多い2週間だったようです。一方で、社会人と学生との「時間を守る」ということの認識の違いなど、厳しい指摘の言葉もありました。


倉澤社長

一方で、参加した学生からは、

「本気で関われたことが何よりもうれしい。」
「4年間何もしてこなかった。何かしたいと思って参加した。反省点もあったが、大きな学びがあった。」
「コミュニケーションが大事だと思った。業務外の社員さんとの雑談から仕事の案に発展することも学んだ。」
「あきらめるタイプの自分が責任あるリーダーのポジションになり変わった。諦めないことの難しさ、がんばることの大切さを学んだ。」
「大学に入ってから一日働くということに慣れていなかったが、充実した気持ちになれた。」
「遠慮なく相談することが大事だと思った。」

などの感想が。中には涙を流す学生もおり、この2週間全力でぶつかったことを感じさせてくれました。

それぞれが全力を尽くしたインターンシップ。その結果は・・・

結果発表の前に、燃えるインターンシップのテーマソング披露の時間です!まさかテーマソングまであるとは驚きでしたが、その歌声のすばらしさに取材スタッフは感動。披露してくださったのは、シンガーソングライターの波多野菜央さんと大石亜矢子さん。会場いっぱいに響いた美しいハーモニーに、会場の皆さんは結果発表前の緊張感をしばし忘れることができたようです。

▲燃えるインターンシップ公式ソング「GOOD DAY!」

さて、美しい歌声に会場が包まれたあとは、いよいよ結果発表の時間です。

結果は・・・

1位:EZAKI優勝アイアン(江崎工業株式会社)
2位:グリフィンドール(日建塗装工業株式会社)
3位:アテーナ(株式会社大岩商会)

OB/OG審査員賞:グリフィンドール


1位を受賞したEZAKI優勝アイアン。

各企業からもMVP(企業賞)が選出され、
中央バフでは石黒さんがMVPを受賞。

どのチームも素晴らしい発表でしたが、優勝したEZAKI優勝アイアンは、特に以下の点が高く評価されました。

<高評価ポイント>
課題設定から解決策までの流れが明快だった
江崎工業の「製造ラインの不良率悪化」という明確な問題に対し、「外国人労働者の作業手順改善」という課題を設定。さらに、多言語対応や図入りのマニュアル改善という実行的な解決策へとつなげた構成が評価された。
社員を巻き込んだアプローチ
他社へのヒアリングや、外国人従業員からの直接の聞き取りなど、学生だからこそできる踏み込み方をしていた点が素晴らしい。社会に出ると他社の社員に学ぶ機会は少ないが、今回のような経験は貴重である。

また、審査員からは「歴史ある企業が多いので、本業をさらに発展させるような提案も見てみたかった。」「業務改善の中にDXや生成AIの活用についてもっと見たかった。」といった、今後への期待の声も寄せられました。

一方でこんなコメントも。
「DX化でスピードが増す一方、社会はより不確実になっています。結局“正解”はなく、自分の頭で考え抜くことが大切。今回は、“自分なりに考え抜いたアイデアかどうか”を重視しました。」まさに今の時代の審査観点が表れているようでした。

出会いそのものが持つ力

受賞こそ逃したものの、やり切った表情を見せていた中央バフメンバー。
今回の取材を通して感じたのは、学生の提案の内容以上に「出会いそのものが持つ力」でした。
AIチャットボットなどの技術の普及で、今後ますますアイディアや提案の幅は広がっていくことが予想されます。しかし、提案そのものの完成度だけでなく、学生たちが実際に中小企業の中に身を置いて、人と交わることで心を動かし感じた“リアルな気づき”こそが、社会を動かす原動力になるのではないか、そう感じさせてくれるイベントでした。

来年も開催予定の「燃えるインターンシップ」。学生と企業がともに育ち合うこの取り組み、今後も見逃せません!

燃えるインターンシップ
ホームページ:https://www.moeru-internship.com
Instagram:https://www.instagram.com/moeru_internship

有限会社 中央バフ製作所
住所:〒116-0001 東京都荒川区町屋1-26-5
電話番号:03-3895-4762
ホームページ:https://www.chuo-buff.com
Facebook:https://www.facebook.com/chuobuff/
Instagram:https://www.instagram.com/buff_chuo/

 


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