荒川区のすぐれた技術、製品を内外に力強くアピールするために誕生した「ara!kawa」。「あら、かわってる。あら、かわいい。」をコンセプトに、荒川区でのモノづくりを応援するブランドです。このたびの荒川探訪では、「ara!kawa」の第2回認定商品発表会で認定商品に選ばれた「muneposiタオル」をご紹介。販売元である「株式会社arikata」のオフィスを訪問し、製品や荒川区でのモノづくりに関する想いを伺ってきました。
繊維街で生まれた”可愛くさりげなく胸を隠すタオル”
日暮里駅前から約1kmにわたって生地や織物の商店が軒を連ねる「日暮里繊維街」。中でも一際目をひく建物が、反物をイメージしてデザインされたというユニークな外観の「ふらっとにっぽり」です。創作活動ができる工房・創作スペースや、観光案内所などを備えた複合施設。株式会社arikataのオフィスもそんなユニークなビルの一室にありました。
荒川探訪では、過去にもファッション関連産業で
「muneposiタオル」とは、“可愛くさりげなく胸を隠すタオル”をコンセプトに誕生した入浴タオル。思春期のお子さんから乳がんサバイバーの方まで、多くの人がより安心して入浴を楽しめるアイテムを、と生み出された商品です。首から掛けると胸元まですっぽり隠れる長さで、胸を隠したまま身体が洗えるのが通常のタオルと異なる点。2023年には第六回荒川区新製品・新技術大賞を受賞した商品です。
muneposiタオルが誕生するまで
代表取締役の渡部和香子さん(写真左)と プロダクトマネージャーの三上美紀さん(写真右)
今回お話を伺ったのは、株式会社arikataの代表を務める渡部さんと、プロダクトマネージャーの三上さん。muneposiタオルは、もともと“ママ友”であったというおふたりによって考案されました。子育てのしやすい場所へと、お互いの地元から南千住の地に引っ越してきたことが出会いのきっかけ。お子さんが通う幼稚園のママ友同士として、次第に仲を深めていきました。出会いからほどなくして三上さんが乳がんに罹患したことが発覚。リハビリも兼ねて一緒にジムに行くようになったことで、ある共通の想いに気が付きます。
自身が抱えるコンプレックスから、トレーニング後のお風呂に入ることを避けようとする渡部さん。「私と違って手術痕があるわけでもないのに、どうして?」そんな問いかけから「こんなアイテムがあったら誰でも気兼ねなくお風呂に入れることができるのに」と、話が発展したそうです。病気や傷跡の有無にかかわらずプライバシーを守る権利。それを商品化することで他にも救える人がいるのではないか。そんなおふたりの想いと行動力が、muneposiタオルの誕生につながります。
荒川区で起業する上で、拠点となる場所を探していたおふたり。なんと、“たまたま入居できた施設の近くに繊維街があった”のだそう。すぐに布屋に足を運ぶことができるのが今のオフィスの最大の利点。店に通うほどに顔見知りも増え、モノづくりの環境も整っていきました。
元となるサンプルを作成しないことには、試作品すら作ることができない。そう考えたおふたりは手書きでデザイン画を仕上げ、茨城に住む渡部さんのお母様のもとへ車を走らせます。手先の器用なお母様に、どうにかサンプルを作ってもらったという微笑ましいエピソード。運や人脈を次々と味方につけmuneposiタオル実現への道を目指しました。
好みに合わせて!選べる5パターン
写真提供:株式会社arikata
水に濡れてもボディラインが露わにならないようにと、凹凸のある生地を表面に使用したmuneposiタオル。裏地には肌ざわりのよいガーゼ生地が使用されています。現在の柄展開はコバナ、CHA COBANA、レオパード、エレガンス、ニュアンス、無地の全5種類。限定のドット柄も人気です。イメージと使用感のギャップを抱かないようにとインスタライブでは水に濡れたときの色味の変化なども紹介。利用者目線での情報発信に、顧客や商品への愛情を感じます。
見事に身長の異なる荒川探訪スタッフの3人。 左から約170cm、155cm、150cm
実際に商品を試着した荒川探訪スタッフの3名。写真で見た印象よりも軽くて優しい肌ざわりにテンションも上がります。服の上からの着用でしたが、身に着けてみると不思議な安心感が。入浴中に限らず、前を覆うって安心するものなのですね…!
当初は「NYUYOKU TOWEL CAKSO(カクソー)」の名称で販売していたmuneposi タオル。「隠そう」といった意味を含んだものでしたが、やがて「胸がポジティブでいっぱいになりますように」という思いから「muneposiタオル」へと改名することを決めたそうですよ。
とっても簡単!お風呂での使用方法
写真提供:株式会社arikata
muneposiタオルの使い方は、いたって簡単。脱衣所で服を脱いだら首からタオルをかけ、タオルの下で下着を外します。身体を洗う時はタオルの下に手を入れて。首元がメッシュ素材になっているので水分を吸って重くなることを防げるだけでなく、シャンプーのヌルヌルもすっきりと洗い流せます。湯船に浸かるときにはタオルを頭上でクロスすれば、まるでターバンのよう。浴槽に入れるわけではないので、従来の湯あみ着(入浴着)のように施設側に許可を取る必要もありません。お風呂から上がった後は、muneposiタオルの下からバスタオルを身体に巻いて。最後にそっとmuneposiタオルを外します。
あらゆる人々の心や身体を守りたい
女の子をお子さんに持つおふたり。子どもたちが生きていく今後の世の中についても考えを巡らせます。スマホなどの機器が発達し、プライバシーの侵害リスクが高まっている時代。muneposiタオルのような手段を与えてあげることは、時に自分の心や身体を守ることにもつながると考えます。隠すことを推奨するのではなく、選択肢を広げてあげたい。お子さんや親御さんたちにもそういった手段があることを広く知ってもらいたいと話してくださいました。
取材中も終始息の合った様子のおふたり。インタビューの間にも、冗談を飛ばし合う様子に取材陣からも自然と笑いが起こります。おふたりの役割分担は、と尋ねると「何かあった時に責任を持つのは私です!」と、渡部さん。営業などの対外的な活動を行うのは渡部さんがメインですが、そんな渡部さんを常に支えるのは気配り上手な三上さん。細やかな事務作業も三上さんが大半を担います。発送などの作業はお互いで分担しながら。ただし、大切なことを決めるときはいつもおふたりで、と決めているそうですよ。
商品の認知度も上がり忙しさを増すおふたりですが、お互いの家庭を常に一番に考えていきたいと話す渡部さん。違う人間だからこそ負担に思うことも違うはず。いつでも思うことは素直に言いあえるような間柄でいたいと語ります。最近では、リプロダクティブヘルスアワード2024を受賞したmuneposiタオル。それにより期間限定の店舗販売も行うなど着々と販路を広げています。そもそもリプロダクティブヘルスとは「性や出産にかかわるすべての事柄について、身体的にも精神的にも本人の意思が尊重されること。」ユーザー目線で真摯にお仕事に向き合う一方、家庭が一番!執着はしない!というあっけらかんとしたビジネスマインドは、今後の新しい働き方の可能性を示してくれているようでした。
muneposiタオルはどこで買えるの?
一時は注文が殺到して品薄となったmuneposiタオル。クリニックやエステ、入浴介助などのあらゆるシーンで需要が高まります。現在では、ネットショップのBASEでのみ販売中。荒川探訪商店での、お取り扱いも控えています。今後開催されるマルシェやイベントでの出店、期間限定の店頭販売などもお楽しみに…!
肌に優しい綿100%を使用していることとやWガーゼの裏地つきであることがmuneposiタオルのこだわり。中には模倣品も出回っていることから、オリジナルロゴのタグが付いているかも確認したいポイントです。購入の際にはぜひ正規品を。思いの詰まったmuneposiタオルを、ぜひ実際にお手にとってみてくださいね。
「muneposiタオルの存在があったことで、術後疎遠になっていた温泉に行く勇気を持つことができた。」
「友達の退院祝いに仲良しグループで着けようとおそろいで購入した。」実際にユーザーから寄せられた声の一部です。
用途に応じた熨斗やラッピングにも柔軟に対応。最近では男性からのギフト需要も増えているのだそうですよ。
病気と闘う大切な人への想いを、1枚のmuneposiタオルに託してみませんか?
早期発見・治療を目指すピンクリボンの試み
乳がんの正しい知識を広め早期発見・治療を推進することなどを目的として行われる世界規模のキャンペーンピンクリボン運動。10月は、そんな活動を啓発するピンクリボン月間です。muneposiは乳がんに罹患したひとたちを応援するピンクリボンのお宿の賛助会員。今後はそのような宿泊施設とも連携をはかっていきたいと語ります。
~胸をポジティブでいっぱいに~
誰しもが向き合う可能性と隣り合わせの、病気という存在。muneposiタオルは、これからの未来を生きる女性たちの強い味方です。
1枚のタオルが誰かの背中を押すきっかけになってくれますように。今後も誰かを勇気づけられるような商品を生み出していきたい、と話してくださいました。
現在荒川区では、銭湯を巡るスタンプラリーを開催中。詳しくはコチラ→あらかわ銭湯 デビュー銭
ぜひかわいいmuneposiタオルを持って、お風呂巡りをお楽しみくださいね!
株式会社arikata
住所:東京都荒川区東日暮里6-17-6 ふらっと日暮里5F イデタチ東京シェアオフィスB
電話番号:050-6867-3920
ホームページ: https://munecom.base.shop/
Instagram: https://www.instagram.com/muneposi/
モノづくりの街・荒川の地域情報サイト「荒川探訪」では、荒川区の気になる情報をご紹介しています。
もし、荒川区の耳寄り情報や皆さんのオススメのお店などご推薦がありましたら、ぜひお気軽に荒川探訪編集部まで情報をお寄せください。もちろん、自分のお店を取材して欲しい、話を聞いて欲しいというご依頼も大歓迎です!
荒川探訪への情報提供・掲載依頼はお問い合わせフォームからお願いします。
これまでに取材したお店などのスポットは荒川探訪マップにまとめています。付近の散策や荒川探訪ルートを考えたりするのにぜひご活用ください。
荒川探訪のSNSもチェック!
各種SNSの「荒川探訪」アカウントへの投稿、コメント欄への書き込みでもOKです。
Facebook:https://www.facebook.com/ara.tanbou
Instagram:https://www.instagram.com/arakawa.news
Twitter:https://twitter.com/arakawanews