荒川区民に「荒川グルメといえば?」と尋ねると、多くの人が「もんじゃ焼き」と答えます。
荒川区はもんじゃ発祥の地ですよ、と区民は聞かされて育つのですが、都内に住む多くの人は「もんじゃ焼きと言えば月島(東京都中央区)」と思っていることでしょう。発祥であろうがなかろうが、荒川区のもんじゃは美味しい。下町の雰囲気も含めてもやはり一番美味しいのです。食の楽しみ方はひとそれぞれ。特別な何かは無いけれど、ちょっと個性的だったり、変わっていたり、ほっとひと息つける場所。そんなモノづくりの街・荒川を支えるグルメを探訪してご紹介していくコーナー、それが「荒川グルメ探訪」です。
コンセプトは「毎日の美味しい時間を」
荒川区東尾久、熊野前駅から徒歩5分ほどの場所に店を構え、うどんを中心とした食事とデザートが楽しめる『natural cafe こひきや』
11年間、地域の毎日に寄り添い続け、コンセプトである「毎日の美味しい時間を」を提供してきました。
そんな想いが地域の方に伝わっているんだな…と分かる出来事が取材中に。
店前を通りかかる人が自然な様子で朝倉さんに手を振っていくのです。
こひきやは、食事をする場所であると同時に、 荒川区東尾久の暮らしの中に根付いている一軒です。

店を営むのは、ゲーム業界出身という異色の経歴を持つ店主・朝倉さん。
うどん屋をはじめた理由を聞くと、返ってきた答えはとてもシンプルで「嫌いな人がほとんどいないから」。
子どもからお年寄りまで、誰にとっても身近でやさしい食べ物。その懐の深さに惹かれたことが、うどんを選んだきっかけだったといいます。
もともと料理は趣味で、「自分がおいしいと思ったものを再現する時間がいちばん楽しい」と話す朝倉さん。“ワクワクできるかどうか”を大切に生きるその姿勢は、うどんの味だけでなく、店のコンセプトや居心地、椅子の高さにまで、細やかなこだわりとなって表れています。

椅子と目線がつくる、計算された「居心地」
店内でまず印象的なのが、椅子の座り心地。
長時間座っていても疲れにくく、自然と力が抜ける感覚に。
朝倉さん曰く、「『座った瞬間に“ふう”と力が抜ける椅子』に強いこだわりを持っている」と。

客席の配置にも工夫があり、食事中に他のお客さんと目線が交差しにくい設計に。
他のお客様と同じ空間にいながらも、それぞれが自分の空間を確保できて、自分の時間に戻れる。
その絶妙な距離感が、静かな居心地の良さを生んでいるのかもしれません。
誰にとっても心地よい空間を守るための配慮が、 さりげなく行き届いているのもこひきやらしさ。
店内にはおむつ替えシートや子供用のメニュー、 椅子・食器が用意されている。
なぜ、うどんなのか

メインに据えているのは、うどん。
その理由はとてもシンプルで「嫌いな人がほとんどいないから」。
子どもからお年寄りまで、誰にとっても“食べやすい”食事。
味は、ジャンルに縛られず、「こひきやがつくるから、この味でいい」と思ってもらえることを大切にしているそう。
坦々牛すじうどん1,540円(税込)※店内飲食価格 本格的な坦々ベースのスープにとろとろで柔らかい 和牛の牛すじの旨みがたまらない一品
こひきやのメニューには、他ではあまり見かけないものも多くあります。
朝倉さんが意識しているのは、
「マネしたいけれど、面倒くさそうだなぁ」と感じるくらい、手間をかけたメニューを提供すること。
その象徴的な一品が、『冬季限定の牡蠣うどん』です。
【季節限定】ぷりぷり牡蠣のおうどん1,958円(税込) ※店内飲食価格(仕入れにより変動あり) うまみが凝縮されたぷりぷりで大きい身の牡蠣のおうどん。 一度たべてみてほしい自信のメニュー。
全国の養殖業者と直接やりとりし、3〜4産地の牡蠣を取り寄せて食べ比べその中から、店主が本当においしいと感じた牡蠣だけを厳選。
低温調理で旨みを引き出し、オイル漬けにして一晩寝かせ、提供直前にソテーして表面を香ばしく仕上げます。
工程を聞くだけでも分かる通り、手間も時間もかかる一杯。
それでもこの工程を省かないのは、「簡単に真似できない味」をつくるため。
手間を惜しまない積み重ねこそが、こひきやの独自性になっています。

無添加やグルテンフリーは、思想ではなく「おいしさ」
こひきやでは、化学調味料を使わない無添加の調理を行っています。とはいえ、それをお店の思想として掲げているわけではありません。
朝倉さんにとっては、「その方が美味しいから」という、ごく自然な選択なんだそう。
中学生時代に読みふけった数々の料理漫画の影響も、今の味づくりの根底にあるといいます。
「どうしてもこの味が食べたくなる」と、 遠方からわざわざ足を運ぶファンも多い。

店舗のグルテンフリー、米粉を使用したケーキも人気です。
健康志向の方にも選ばれている一方で、
朝倉さん自身は「単純においしいから」という理由で米粉を使用しています。
食後の時間まで、こひきやらしく
デザートの種類はかなり豊富。 毎週土曜日のみ17時までカフェ営業中。
こひきやでは、うどんだけではなくデザートやカフェメニューも充実しています。
オリジナルキャラクター「くまっぺ」が添えられた『くまいす(アイスクリーム)』や、くまっぺのイラストが描かれたカフェラテなどのオリジナルメニューも魅力のひとつです。
左:くまいす(カップ)495円(税込) 右:カフェラテ:660円(税込)※店内飲食価格 うどんを食べたあとのデザートとしてちょうどいい一品。
バスクチーズケーキ550円(税込)※店内飲食価格 しっかりとしたコク、 濃厚な味わいでコーヒーとの相性も抜群。
贅沢ガトーショコラ600円(税込)※店内飲食価格 濃厚なチョコレートが口の中に広がります
価格ではなく「この店だから」
朝倉さんが語る中で、印象的だった言葉があります。
「価格で選ばれてしまう関係は望んでいないんです」。
こひきやが目指しているのは、価格や場所で選ばれるのではなく、「この店だから来る」ということ。
店の前を通りかかった人たちが、自然と朝倉さんに手を振っていく姿。その光景こそが、こひきやが積み重ねてきた信頼の証なのかもしれません。

東尾久の誇りになる店へ(こひきやの未来)
この先の未来について質問した際、「全国展開は考えていない」と、はっきり話し、最後にこんな言葉をくれました。
『この街に住む人が、「近所にいい店があるんだよ」と
誰かに自然と話してもらえる存在であれば、それでいい。』と。

時代に合わせて更新され続ける居場所
こひきやが今の時代にフィットしている理由は、
新しいことを打ち出してきたからではありません。
人との距離感や居心地の変化に対して、朝倉さん自身が常にアンテナを張り続けてきたこと。その感覚が、11年という時間の中で少しずつ店に反映され、更新されながら、今のこひきやを形づくってきたから。
こひきやは、時代の空気に静かに寄り添いながら、荒川区東尾久の「居場所」として、今日もそこに在り続けています。

natural cafe こひきや|店舗情報
住所
〒116-0012
東京都 荒川区 東尾久 5-20-15
日暮里舎人ライナー 赤土小学校前徒歩5分 / 熊野前徒歩5分
電話番号
03-6807-7512
定休日
日曜・月曜・火曜・祝日定休
営業時間
11:30 ~ 14:30(ランチラストオーダー:14:00)
※毎週土曜日のみ17時までカフェの営業をしております
夜は貸切予約のみ承ります。定休日でもご予約承れる場合がございますのでお気軽にお問合せください。
※営業日・営業時間は変更となる場合があります。
最新の情報は公式サイト、Instagramをご確認ください。
※価格はすべて店内飲食時の税込価格です。テイクアウトの場合は価格が異なります。
公式サイト
https://kohikiya.tokyo/
Instagram
https://www.instagram.com/kohikiya/
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店内にはおむつ替えシートや子供用のメニュー、
椅子・食器が用意されている。
坦々牛すじうどん1,540円(税込)※店内飲食価格
本格的な坦々ベースのスープにとろとろで柔らかい
和牛の牛すじの旨みがたまらない一品
【季節限定】ぷりぷり牡蠣のおうどん1,958円(税込)
※店内飲食価格(仕入れにより変動あり)
うまみが凝縮されたぷりぷりで大きい身の牡蠣のおうどん。
一度たべてみてほしい自信のメニュー。


