荒川区民に「荒川グルメといえば?」と尋ねると、多くの人が「もんじゃ焼き」と答えます。
荒川区はもんじゃ発祥の地ですよ、と区民は聞かされて育つのですが、都内に住む多くの人は「もんじゃ焼きと言えば月島(東京都中央区)」と思っていることでしょう。発祥であろうがなかろうが、荒川区のもんじゃは美味しい。下町の雰囲気も含めてもやはり一番美味しいのです。食の楽しみ方はひとぞれぞれ。特別な何かは無いけれど、ちょっと個性的だったり、変わっていたり、ほっとひと息つける場所。そんなモノづくりの街・荒川を支えるグルメを探訪してご紹介していくコーナー、それが「荒川グルメ探訪」です。
昭和レトロな「ジョイフル三の輪商店街」
都電荒川線(東京さくらトラム)の終点三ノ輪橋停留場からすぐ近くの「ジョイフル三の輪商店街」(正式名称・三の輪銀座商店街)。映画などのロケ地としてもたびたび使用され、昭和レトロな雰囲気が味わえるとして注目を集めています。近年では、新しい店舗も続々誕生。今回の荒川探訪では、そんなジョイフル三の輪内に新しくオープンしたテイクアウトのお店「MJはうす別館」をご紹介いたします。
「MJはうす別館」があるのは、400mほど続くジョイフル三の輪商店街のちょうど真ん中あたり。商店街入り口にある「モンゴル料理と馬頭琴・生音楽のお店 MJはうす」の姉妹店としてオープンしました。本館にあたるMJはうすからは、歩いてわずか2~3分ほど。昔ながらのお店が立ち並ぶ商店街の中にはためく「ミートパイ」の黄色いのぼりが目印です。もともとは写真屋さんとして営業していた建物。今回はのれんが下がる前のプレオープン期間中にお邪魔いたしました!お店があるのは、以前荒川探訪でもご紹介した「お惣菜の店 きく」の斜向かい。ぜひ併せて立ち寄ってみてくださいね。
紅生姜天発祥の「お惣菜の店 きく」。紹介記事はこちらから!
MJはうすという店名は「モンゴル・ジャパン」の頭文字からとったもの。モンゴルとのご縁をきっかけにお店をオープンしたことが由来となっています。このたびオープンした別館は、そんなモンゴルの料理からヒントを得たテイクアウトフードのお店。三ノ輪散策のお供にぴったりのメニューを提供しています。
片手にすっぽり!食べ歩きにぴったり!
弁天チーズミートパイ ¥300(税込)
お店の看板メニューは、新・三ノ輪名物として注目を集める「弁天チーズミートパイ」。もともとは区内のイベントにて度々出店し、人気を博したメニューです。ひとつ300円とリーズナブルな金額も魅力。ふたつ買うとさらにお得になるのも嬉しいポイントです。MJはうす別館では、手を汚さず食べられるようにと紙のカップにいれて提供。片手にすっぽりおさまるサイズ感が、食べ歩きにもぴったりですね。
チーズとひき肉を小麦粉の皮で包んで揚げた、弁天チーズミートパイ。モンゴル料理の「ホーショール(揚げ餃子)」を元に考案されたメニューです。良質なエキストラバージンオイルを使用して二度揚げすることが、カラリとおいしく仕上げる秘訣。注文を受けてからフライヤーに入れるので、アツアツのサクサク食感が楽しめますよ。
MJはうすで使用しているお塩は、全てモンゴル産の岩塩のみ。世界自然遺産のオブスノール盆地で採掘される岩塩で、まろやかな塩味が特徴です。グランドオープン後は、モンゴル料理をヒントにした「ビート汁」やモンゴル風の焼うどん“ツォイワン”が元となった「MJ焼うどん」も発売予定。今後の新メニュー登場にも期待が高まります。
弁天チーズミートパイの名前は、江戸時代より三ノ輪に鎮座する「中島弁財天」にちなんだもの。古くから開運・芸術・延寿のご利益があるといわれています。プロのボーカリストであるマスターが、芸術の神様への畏敬の念をこめて名付けたミートパイ。食べれば、幸運が訪れるかもしれませんよ!
夜はカウンターでちょい飲みも!
店内には、スツールの配されたカウンター席と二人掛けのテーブル席。昼間はテイクアウトのお店ですが、夜はちょい飲み屋へと変身します。ふらっと立ち寄れる雰囲気が魅力。生ビールやホッピー、角ハイボールなどの定番ドリンクが揃います。
すだちサワー ¥500(税込)
マスターおすすめのドリンクメニューは出身地である徳島にちなんだ、こだわりの「すだちサワー」。日本酒をベースにした無添加のすだち酒を使用しており、さっぱりとした味わいはミートパイにもよく合います。すだち酒を使用したフローズンカクテルも近日発売予定とのこと。暑い夏に人気を集めること間違いなしの、大人のかき氷です。
サワーに添えられた生のすだちは、地元徳島から取り寄せたもの。すだち特有のポリフェノール“スダチチン”で、健康効果も期待ができます。マスターの故郷、徳島の味でほろ酔い気分に!もっとも、地元ではほとんどのお宅にすだちの木が植えられているので、購入することはあまりないそうですが…
大学時代から歌が趣味であったというMJはうすのマスターJUNさん。「店長自ら客寄せパンダで歌っています」との張り紙にもマスターの茶目っ気が溢れています。2022年にはモンゴルとの国交正常化50周年を迎えましたが、記念式典ではなんと日本を代表して国歌を斉唱したという経歴も。アコースティックギターにのせた柔らかな歌声に癒されましょう!
本館「MJはうす」でモンゴル文化に触れよう!
別館から歩いてすぐの「MJはうす」は、マスターの音楽好きが高じて5年前にオープンしたライブハウス。100名以上収容可能で、不定期的にライブを開催しています。モンゴルのトップミュージシャンやパフォーマーたちをステージに招いて大規模のイベントが行われることも。音楽を楽しみながら本格的なモンゴル料理が食べられることでも人気です。大型のモニターを有しているため、結婚式の二次会などにもおすすめ。過去にはジョイフル三の輪商店街映画祭の会場のひとつとしても選ばれました。
ライブハウスの壁に陳列されているのは、モンゴルの伝統楽器である馬頭琴。国語の授業で登場する「スーホの白い馬」でお馴染みの、あの楽器です。壁に飾られた馬頭琴の横にはモンゴルの工房のトップ技術者が作成したものであることを示す証明書が。MJはうすは、モンゴル国内にある馬頭琴工房と独占販売契約を結んだ、国内でも珍しい馬頭琴販売店でもあるのです。ちなみに、ライブハウス内で存在感を放つお洒落なデザインのグランドピアノは、馬頭琴と色味を合わせてチョイスしたというもの。わざわざ岡山から取り寄せたという、こだわりのアイテムです。
マスターとモンゴル音楽との出会いは、馬頭琴の奏者である元奥様とのご縁がきっかけ。モンゴル出身のアーティストたちとも交流が深かったことから、MJはうすでも数々のモンゴル出身アーティストを招くようになったそうです。昨年開催された「大モンゴルショー」では、俳優の原田龍二さんもステージに登場。人気ドキュメンタリー番組『世界ウルルン滞在記』での滞在を通して会得したという、伝統的な歌唱法“ホーミー”を披露しました。
MJはうすで開催されるイベントでは、マスターを含む3人組のユニット「JUNじゅんバトかいな?」がレギュラー出演。代表曲は三ノ輪をテーマにした「三ノ輪橋人魚物語」です。かつては海に突き出た地域であったことから「水の鼻」や「水の輪」と呼ばれていた三ノ輪の地。そんなヒストリーから生まれた切ない恋の歌は、YouTubeや数々の音楽アプリでも視聴いただけます!
JUNじゅんバトかいな?のメンバーであり、現在MJはうす本館の店長を務める通称バトさんは、近代馬頭琴の第一人者。著名な音楽家との出演歴も多く、これまで数々の賞を受賞しています。モンゴル力士の優勝祝賀会でも演奏者として活躍中。そのような繋がりから、店内には横綱白鵬をはじめとした力士たちのサインが飾られています。日曜劇場『VIVANT』の大ヒットにより、注目度の高まったモンゴル文化。MJはうすを訪れれば、まだ見ぬモンゴルを旅したような気分が味わえるはずですよ!
三ノ輪探訪のお供に!ミートパイ
モンゴルの文化を身近に感じることのできるMJはうす。今回は、新規オープンの別館で提供する「弁天チーズミートパイ」を中心にご紹介いたしました。おいしいミートパイを片手に、ジョイフル三の輪で大好きな映画やアーティストのロケ地巡りを楽しんでみては?
SNSでは本館・別館の最新情報を、日々更新しています。
MJはうす Instagram
MJはうす Facebook
MJはうす別館
営業時間:テイクアウト11:00~16:00 ちょい飲み18:00~23:00
定休日:不定休
TEL:090-2783-9466
住所:東京都荒川区南千住1-26-8(ジョイフル三の輪内)
インスタグラム https://www.instagram.com/mj_house_minowa/?hl=ja
モノづくりの街・荒川の地域情報サイト「荒川探訪」では、荒川区の気になる情報をご紹介しています。
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