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【荒川区町屋】トニックを再定義する!町屋発「日出ずるクラフト蜜造所」の挑戦

荒川区民に「荒川グルメといえば?」と尋ねると、多くの人が「もんじゃ焼き」と答えます。
荒川区はもんじゃ発祥の地ですよ、と区民は聞かされて育つのですが、都内に住む多くの人は「もんじゃ焼きと言えば月島(東京都中央区)」と思っていることでしょう。発祥であろうがなかろうが、荒川区のもんじゃは美味しい。下町の雰囲気も含めてもやはり一番美味しいのです。食の楽しみ方はひとそれぞれ。特別な何かは無いけれど、ちょっと個性的だったり、変わっていたり、ほっとひと息つける場所。そんなモノづくりの街・荒川を支えるグルメを探訪してご紹介していくコーナー、それが「荒川グルメ探訪」です。

トニックの日にオープン!
モノづくりのスピリッツ

このたび荒川探訪が取材に訪れたのは、町屋駅から徒歩約8分の場所にある「日出ずるクラフト蜜造所」。11種のボタニカルと甜菜糖で仕上げた“クラフトトニック”を提供するお店です。訪問したのは、2025年10月29日(トニックの日)にオープンしてからちょうど3カ月を迎えたころ。記憶に残る日にしたかったというオープン日の設定からも、トニックへの並々ならぬ愛情が伝わってきます。


20:30を過ぎると照明のトーンが切り替わり、店内はより落ち着いた雰囲気に。
流れる音楽も客層に合わせて変えているそうです。

尾竹橋通りの路地裏に佇む、スタイリッシュな外観の製造所。扉を開けると、店内併設のドリンクスタンドが迎えてくれます。6席のカウンター席に3名ほどが立ち飲みできるスタンディング席。こだわり抜かれた居心地のよい空間が、一日の終わりにそっと癒しのひとときへと誘ってくれます。

トニックウォーターとは、糖分に柑橘類の果皮エキスやハーブ、苦味成分を加えた清涼飲料。19世紀初頭にイギリスでマラリア対策のために生まれ、飲みやすくするための改良が重ねられてきました。日本では主にお酒の割り物として知られてきたトニックウォーターを、ここではハーブや果物などを使用したイギリスの伝統の“コーディアルシロップ”として再定義。モノづくりの町荒川ならではのクラフトマンシップで、心をこめて製造しています。

クラフトトニックを楽しむ!

魅力的なドリンク&フード


日出ずるトニックコーディアル 
¥2,000(税込)

店内でボトル売りしているコーディアルシロップ「日出ずるトニックコーディアル」。栓をひねるとふわっと甘い香りが立ちのぼります。店主自らデザインしたというお洒落なボトルは女性を中心に人気。イソップやサボンなどの自然派コスメを思わせる佇まいです。

炭酸で割れば、ビールやジンジャーエールのような爽快感。お湯で割れば、レモンティーのようなやさしい甘さが広がるホットドリンクに。推奨は5倍希釈ですが、濃さや飲み方はお好みで楽しめます。日出ずるクラフト蜜造所ではこちらのシロップを使った一杯を、張り詰めた一日を丁寧に締めくくる「クロージングドリンク」として提供しています。


イエーガートニック ¥900(税込)

ここからは「日出ずるトニックコーディアル」を使用した魅力的なドリンクメニューを厳選してご紹介。一番人気はドイツのリキュール“イエーガーマイスター”を使用した「イエーガートニック」です。

イエーガー特有の薬草感をトニックの優しい甘さがほどよく中和し、飲みやすい味わいに。ドイツでは養命酒のような存在として親しまれているイエーガーは、日出ずるトニックコーディアルとの相性も抜群です。


黒ラムンティー
(レモネードラムティー)¥850(税込)

2番人気は「黒ラムンティー(レモネードラムティー)」。サステナブルな視点も大切にする、日出ずるクラフト蜜造所自慢のメニューです。製造過程で出るレモンやライムの絞りかすを黒蜜に漬け込んだ“黒レモネード”は、副産物でありながらも主役級の存在感。サンキライや国産のクロモジなどをふんだんに使用しています。

ラムは、クセの少ないバカルディを使用。やさしい口当たりで、アルコール入りであることをついつい忘れてしまいます。糖度が高く成分が沈みやすいのが特徴。召し上がる前によくかき混ぜていただくのがおすすめです。


トニックスカッシュ ¥550(税込)
(ソフトドリンク)

お酒を飲まない人にこそ、ぜひ試していただきたいのが「日出ずるトニックコーディアル」を使用した「トニックスカッシュ」。アルコールは控えたいけれど、満足感のある一杯を楽しみたい。そんな気分にも応えてくれるドリンクです。ジンジャーエールのような爽やかさがありながら、甘さはすっきり!後味が軽やかで、食事にも合わせやすいのが特徴です。


ほかにも47種のボタニカルを使用したジン「モンキー47」や、桜餅のような香りが特徴のウォッカ「ズブロッカ」など、多彩なスピリッツを用意。各種スピリッツを追加して、自分好みにカスタムすることも可能です。冬季には温かい飲みものも登場し、夏にはカチ割りスタイルのメニューも考案中とのこと。訪れる季節ごとに新しい楽しみに出合えそうです。


香味チキン ¥500(税込)

日出ずるクラフト蜜造所では、ドリンクに合うおつまみメニューも用意しています。オリジナルのスパイスを効かせた「香味チキン」は、楽しいおしゃべりを邪魔しない一口サイズ。エアーフライヤーでサクサクに仕上げており、小腹が減った時にもぴったりです。


スモークナッツ 
店内 ¥500(税込)
袋入り ¥350(税込)

親交のある三ノ輪の直営店で仕入れているという「スモークナッツ」、通称「スナスモ」。桜チップで燻製にしたナッツは、ほおばるたびにふわっとスモーキーな香りが広がります。店内では袋入りでも販売しているのでお土産にもおすすめ。お酒の進む一品です。


熟モッツァレラとオリーブ ¥500(税込)

貝柱のような見た目とほろほろとした食感の「熟モッツァレラ」は、モッツアレラチーズを棒状に伸ばしてカットし、約2週間熟成させたもの。北海道産のチーズで、以前荒川探訪でもご紹介したもりたや酒店で仕入れています。 ほどよい酸味が食欲をそそるオリーブとも相性抜群!お酒を豊富に取りそろえた、もりたやの記事もあわせてご覧くださいね!

【荒川区南千住】荒川グルメ探訪|角打ちと囲炉裏が楽しめる!「もりたや酒店」

祖父から受け継いだモノづくりの精神

お話を伺ったのは、店主の髙橋善希さん。かつては業務用酒販店で会社員として勤務し、清涼飲料水(シロップ)を担当していました。定説とされていた「トニックウォーターは売れない」という言葉から生まれた反骨心。やがて、その可能性を自ら広げようとクラフトトニックづくりを決意します。

川口育ちの高橋さんにとって、町屋は幼少期の思い出が残る場所。足立区で製菓会社を営む祖父と共に、トラックで町屋の通りを頻繁に往復していたそうです。お菓子やおもちゃを買ってもらえた記憶の残る、特別な街。「“蜜造所”を作るなら路地裏がいい!」と、考えていたこともこの場所を選んだ理由です。


この日のカウンターには町屋を愛する店主の友人の姿も。
店内の電気関係のトラブル対応に駆けつけていたようで、
店主から「お礼に一杯!」と振舞われた
ドリンクを楽しむ様子が印象的でした。

開業の大きなモチベーションになったのは、製菓会社を営んでいた祖父のエピソード。当時は高級品だったチョコレートを庶民的なお菓子として、誰にでも届くように再定義したという体験談です。戦時中は神風特攻隊として出陣する予定だった祖父の「一度は失っていたかもしれない命だと思えば、何も怖くない。」という言葉が、高橋さんの背中を押しました。

近年は国内でもクラフトビールやクラフトジンが注目を集めていますが、クラフトトニックはまだ誰も切り開いていない世界。祖父から受け継いだモノづくりの精神とクラフトマンシップを胸に、いつの日か「世界一号店」と呼ばれる日を目標に、挑戦を続けます。

素材と製法への徹底したこだわり

日出ずるクラフト蜜造所で使用している原材料は柑橘とホップと甜菜糖、レモン、ライム、じゃばらなどのボタニカル。それらを漬け込み、味わい深いシロップ(蜜)ができあがります。

開業を決意したのち、トニックウォーターの核となる樹皮由来の苦味成分“キニーネ”が、日本の法規制上、そのままでは使用できないという課題に直面。キニーネに依存しない新しいやり方で、トニックウォーターそのものを再定義することを決意しました。一般に流通している製品は、代わりとなる香料やエキス。日出ずるクラフト蜜造所では、代わりとなる苦み成分として新潟産のホップを採用しました。


キニーネは樹皮由来の土っぽい苦味を持つのに対し、ホップはハーブならではの香りとやわらかな苦味が特長。ビールの原料として知られる一方、鎮静作用などの優れた薬用ハーブとしても活用されてきました。抽出温度や時間によって味わいに変化を持たせられることも利点。大きな可能性を秘めています。

トニックに必要な柑橘には、数ある中から“じゃばら”を選択。苦味成分ナリンジンを多く含むことが理由です。花粉症をはじめとしたアレルギーを緩和するという嬉しい効能も。飲料業界につとめ、清涼飲料の開発にも携わったことで得た柑橘類の知識が活きています。

原料に使われている“アンジェリカルート”は、別名“天使のハーブ”とも呼ばれる植物。女性ならではの不調を改善する効能があるといわれています。幼いながらに母親の不調を目にしてきたという高橋さん。今ではふたりの娘さんを持つパパとして、女性にとって優しいものがあふれた世の中にしてあげたい、と話してくださいました。

 
女性客でもひとりで立ち寄りやすい雰囲気が魅力。 
より多くの女性にコーディアルシロップの素晴らしさを伝えたいと語ります。

不足しがちなミネラルを補ってくれる甜菜糖をはじめ、身体に優しい成分を沢山含んだクラフトトニック。化学物質を含んでいないので身体に残りにくく、お酒と割っても二日酔いになりにくいと考えられています。


気になる店名は、英国由来のトニックウォーターを日本が独自の製法で作り上げたという誇りを象徴するもの。「もし日本が鎖国を続けていたとしても、憧れのジントニックの味を独自に再現していたのではないか」という架空のストーリーに基づいています。

“蜜造所”というのはもちろん、密造と蜜(シロップ)をかけた造語。お店のSNSで用いられている“Heazl”というスペルも、“heal(癒やし)”に重ねた店主の遊び心です。

挑戦はまだ始まったばかり…!

日出ずるクラフト蜜造所はバーではなく製造所であり、メーカー。ドリンクスタンドという立ち位置にこだわり、ぶれることなく続けていきたいと高橋さんは語ります。今後はオンラインストアでの製品発売も予定しており、黒レモネードのボトル化やフードイベントへの出店など、新たな展開にも意欲的です。

シロップという特性から、ドリンクだけでなくフードへのアレンジなど使い方は無限大!将来的には地域の店舗とのコラボレーションも視野にいれているそうです。現在のうちっぱなし風の外壁は近日中にリニューアル予定。ソフトドリンクのテイクアウト窓も設置され、装いも新たに生まれ変わります。

1日の締めくくりに、心ほどける一杯を。大切な人へのプレゼントの品としてもおすすめですよ。

日出ずるクラフト蜜造所
住所:東京都荒川区町屋3-7-17 エベビル104
営業時間:
水・木・金 19:00-23:30
土曜・祝前日の日曜 16:00-23:00
公式Instagram:https://www.instagram.com/heazlsyrupbootlegworks/


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