荒川区民に「荒川グルメといえば?」と尋ねると、多くの人が「もんじゃ焼き」と答えます。
荒川区はもんじゃ発祥の地ですよ、と区民は聞かされて育つのですが、都内に住む多くの人は「もんじゃ焼きと言えば月島(東京都中央区)」と思っていることでしょう。発祥であろうがなかろうが、荒川区のもんじゃは美味しい。下町の雰囲気も含めてもやはり一番美味しいのです。食の楽しみ方はひとそれぞれ。特別な何かは無いけれど、ちょっと個性的だったり、変わっていたり、ほっとひと息つける場所。そんなモノづくりの街・荒川を支えるグルメを探訪してご紹介していくコーナー、それが「荒川グルメ探訪」です。
昭和32年生まれ!
ボリューム満点のコッペパン
壁に描かれたコッペパンのイラストがインパクト大! 著名人による無数のサインも並びます。
このたび荒川探訪が取材に訪れたのは、都電荒川線三ノ輪橋停留所から徒歩4分の場所にある「元祖青木屋」。昭和32年(1957年)の創業以来、70年近くの歴史を誇るコッペパンのお店です。地域の人々に愛され続けるソウルフードで、お昼前になるといつもお店の前には行列が。南千住警察署のある千住間道沿いに位置しており、JR南千住駅または日比谷線三ノ輪駅からも歩いて10分ほどでアクセスできます。
コロッケパン 330円(税込)
青木屋で取り扱うのは、ふわふわのコッペパンに揚げたてのコロッケなどを挟んだボリューム満点のお惣菜パン。コロッケに加え、メンチカツ、ハムカツ、トンカツと全4種を販売しています。
一番人気は、素材の味を活かした「コロッケパン」。北海道北見産の男爵芋にこだわり(一部の時期を除く)、炒めたキャベツとにんじんを混ぜ込んでいます。やわらかくきめ細やかなタネであるにもかかわらず、揚げた時に崩れないのは前日に仕込んでしっかりと冷やしてあるから。サクサクの衣にまとわせて、揚げたてを提供しています。
メンチカツパン 380円(税込)
二番目に人気の品は、お肉のうまみたっぷりの「メンチカツパン」。こちらは前日に仕込むと水分が出すぎてしまうことから、販売する当日に仕込みを行います。時間をかけて手切りした玉ねぎがお店のこだわり。機械任せにすると水分が出すぎてしまい、風味を損なう原因となるそうです。手間暇かけて作られたメンチカツ。たまねぎの食感や甘味が存分に活かされています。
左から、トンカツパン380円(税込) ハムカツパン330円(税込)
その他全ての商品の具材が2つずつであるのに対して、トンカツパンだけは1枚のみが豪快に乗せられた品。昔からお付き合いのあるお肉屋さんに「このくらいの長さで」と、お願いして注文しているそうです。薄いバラ肉が層になったやわらかいトンカツは、ソースとの相性も抜群!歯の弱いお子さんやお年寄りでも安心して食べられます。
サクサクのハムカツパンも老若男女問わず人気の品。均一に小麦粉をまとったやわらかいハムと衣のサクサク食感のコントラストが魅力です。ふわふわのパンと甘めのソース、ハムカツのサクサク食感が三位一体!ちょっぴり小腹が空いたときや、3時のおやつにも最適です。

長さが20㎝もあるふかふかのコッペパンは、青木屋が特注しているというオリジナルの品。余計なものを挟んでいないからこそ際立つシンプルなおいしさが、長く愛される秘訣です。時間をかけて仕込みをし、材料や火加減にもこだわり抜いたからこそ辿り着く老舗の味。長く愛され続けるものにはきちんと理由があったのです。
時間が経ってもサクサク感が続き、おいしく食べられるのが青木屋の特長。お昼に食べるためにと朝方買っていく人が多いのにも頷けます。とはいえ、日持ちするようにといった想定は特にしていないそう。お買い上げ後はお早目に召し上がってほしいとのことでした。
はさんだ具材が豪快にはみ出した大きなコッペパン。ボリューム抜群であることから、半分で十分!という人も多いのだとか。衛生上の問題で、店頭でカットというサービスは行っておりませんが、仲の良い間柄でちぎって半分こするのもまた楽しいですね。行楽シーズンや食べ歩きにもぴったり!(※マナーを守って飲食を楽しみましょう。)
親子三代でつなぐ
青木屋のヒストリー
長い青木屋の一日は、奥様が夜中の2時頃に起きて仕込みを始めるところからのスタート。ひき肉に玉ねぎやパン粉を混ぜ、メンチカツのもとを作っていきます。ご主人が4時頃に出勤し、衣付けなどの作業を開始。朝5時前に、業者から大量のパンが搬入されます。
お店のシャッターを開けるのは、開店時間である朝7時の少し前。6時半過ぎにはお鍋に火を入れ始めます。青木屋での揚げ物には、カラリと揚がるラードを使用。お店の外から次々とフライが揚げられていくのを見ることができるのも、商品を待つ間のちょっとしたお楽しみです。
やがて娘さんと従業員さんが出勤し、4人体制での営業に。1人が揚げ物を担当し、1人がパンに挟んでいくという無駄のない連携プレイが繰り広げられます。
早い日には13時すぎに完売となるコッペパン。お昼を済ませた後は、次の日用の仕込みが夕方頃まで続くそうです。大量のコロッケを仕込むのもこのタイミング。じゃがいもは1時間近くもの時間をかけて、ほくほくに茹で上げています。
地元の神社では総代をつとめ、 町会事にも積極的に参加しているという店主の青木健志さん。 近年開催されたお祭では、祭礼委員長も務めました。
創業から今年で68年を迎える元祖青木屋。2代目を務めるのは初代の息子さんにあたる青木健志(たけし)さんです。ご兄弟が東京にいたことから、昭和32年の年にお父様が山形から上京。それに続く形でお母様も店主を含む3人のお子さんを連れ汽車に乗り、身ひとつで上京しました。
青木屋はもともとお惣菜や乾物を扱うお店。後に、販売していた惣菜をパンにはさんで販売するコッペパンが主力の商品となっていきました。幼い頃から商売を近くで見て育った健志さん。大学を卒業後は会社勤めを経験しますが、妹さんの結婚などを機にご自身がお店を継ぐことを決意したそうです。
酷暑の中でも行列のできる青木屋。 夏の間はお店を訪れるお客さんに 麦茶をふるまうこともありました。
近年では病気が発覚したことにより、お仕事での負担は極力減らしているという健志さん。とはいえ、週2回の仕入れに大量の揚げ物、トレイを運んで行ったり来たりと取材に訪れた日も精力的に動いている様子が見られました。保育士としてお勤めだった娘さんも、3年ほど前にお店に加わることに。持ち前の明るさで、青木屋の大きな戦力となっています。

常連さんが通い続けてくれることも、お店を続けていく上での励み。取材に訪れたこの日も、絶え間なくお客さんが姿を現していました。中には自転車から降りることなく、ドライブスルーのようにお会計を済ませていく人も。このお店にくるためだけに、遠方から足を運ぶ人もいるそうですよ!
物価高騰のあおりをうけ、一時は売れれば売れるほど赤字になることもあったのだとか。「安くて、おいしくて、ボリュームがある」というコンセプトのもと、できるだけ値上げはしたくないと語ります。
並んで買ってくださる方のために、現在予約は受け付けていないのだそう。毎日13時から14時の間には売り切れてしまうことがほとんどであるため、お買い求めの際は早めのご来店をおすすめします!
一日のはじめの活力に、お昼やおやつタイムのお楽しみに。近くの体育館では試合があるたび、勝負メシとして購入していくお客さんもいるそうです。
地元を愛する店主とご家族が作る、荒川区民のソウルフード。ぜひ一度ご賞味くださいね!
元祖 青木屋
住所:東京都荒川区南千住6-47-14
電話番号:03-3807-4517
営業日:月~土
定休日:日祝
営業時間:07:00~売り切れ次第終了。※13時前後で売り切れとなります。
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/aoki.ya/
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壁に描かれたコッペパンのイラストがインパクト大!
著名人による無数のサインも並びます。
コロッケパン 330円(税込)
メンチカツパン 380円(税込)
左から、トンカツパン380円(税込)
ハムカツパン330円(税込)
地元の神社では総代をつとめ、
町会事にも積極的に参加しているという店主の青木健志さん。
近年開催されたお祭では、祭礼委員長も務めました。
酷暑の中でも行列のできる青木屋。
夏の間はお店を訪れるお客さんに
麦茶をふるまうこともありました。