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【荒川区日暮里】荒川グルメ探訪|さつまいもシェフが届ける至福のバトン!「蜜芋研究所」 

荒川区民に「荒川グルメといえば?」と尋ねると、多くの人が「もんじゃ焼き」と答えます。
荒川区はもんじゃ発祥の地ですよ、と区民は聞かされて育つのですが、都内に住む多くの人は「もんじゃ焼きと言えば月島(東京都中央区)」と思っていることでしょう。発祥であろうがなかろうが、荒川区のもんじゃは美味しい。下町の雰囲気も含めてもやはり一番美味しいのです。食の楽しみ方はひとそれぞれ。特別な何かは無いけれど、ちょっと個性的だったり、変わっていたり、ほっとひと息つける場所。そんなモノづくりの街・荒川を支えるグルメを探訪してご紹介していくコーナー、それが「荒川グルメ探訪」です。

選び抜いた食材を、

最高の技法で!


かの有名な“夕焼けだんだん”から徒歩2~3分ほど。
軒下には美味しいお芋が焼けたことを知らせるように、
立派な杉玉が下がります。

今回の荒川探訪では、日暮里駅西口から徒歩4分、谷中ぎんざ商店街の一角に店舗を構える「蜜芋研究所」を取材。さつまいもの評価会で審査員を務める岡部勝義氏が、フレンチの技法や知識を活かして丁寧に焼き上げた“究極の焼き芋”を提供する専門店です。

近年では数多くのメディアにも取り上げられ、注目度も上昇中!店内には岡部シェフがこだわり抜いた焼き芋や、さつまいもを用いた魅力あふれるメニューが並びます。


プレミアム熟成蜜壺やきいも/熟成蜜壺やきいも 
700円~1200円(税込)※価格はサイズによって異なります。

この日の店頭には、茨城県鉾田市市毛農園から取り寄せた選りすぐりのさつまいもが。評価会にて受賞経歴のあるシルクスイート紅はるか、ホクホク感が特徴のあまはづきが並んでいます。
「プレミアム熟成蜜壺焼き芋」とは、極めて限られた芋だけを使い、最適な火入れで焼き上げた特別な焼き芋のこと。一方「熟成蜜壺やきいも」は、岡部シェフが“応援したい農家さんの芋を用い、素材の持ち味を最大限に活かした商品です。

『同じ産地のワインでも、畑や生産者が違えば価値も個性も変わるんです。』フレンチのシェフならでは。ブルゴーニュワインを例に説明してくださいました。

ふっくらと湯気をたててふたつに割れるプレミアム熟成蜜壺焼き芋。しっとり滑らかな食感で、端から端まで“皮ごと”味わえることが魅力です。試しに皮だけを口に含んでみると、渋みなどはなくまるで薄く焼いたクレープのよう。マスカットのように皮と身が一体になったおいしさが味わえます。

「皮まで残さず食べて欲しい」という生産者の思いをどのように価値化するか。蜜芋研究所では、芋ごとの個性を活かした焼き方を、日々研究しています。

食べ歩きにも最適!

素材の魅力を活かしたメニュー

蜜芋のブリュレ 800円(税込)

「蜜芋のブリュレ」は、熟成蜜窯焼き芋の上にもっちりとコク深いカスタードクリームを丁寧に絞り、バーナーでひとつひとつキャラメリゼした贅沢なスイーツ。パリッとした食感のカラメルの香ばしさとほろ苦さが、蜜芋のおいしさを際立たせます。

さつまいも、クリーム、ザラメが口の中で溶け合い三位一体の味わいに。“口内調理”で濃厚なスイートポテトが完成するという、計算し尽くされたメニューです。

カリウマ大学芋 500円(税込)
※季節によっては、より粘度の高い
品種を使用することもあるそうです!

ほくほくの紅はるかを使用した「カリウマ大学芋」。芋自体の甘さを引き立たせるため、蜜は軽く絡らませる程度に留めています。

ユニークなポイントが、中東発祥の“デュカ”というスパイスを振りかけていること。アラビア語で“潰す”を意味する言葉で、蜜芋研究所ではローストしたナッツやピンクペッパー、ドライフルーツなどを独自にブレンドしています。エキゾチックな味わいとザクザクとした食感が癖になる一品。白ワインなど、お酒との相性も抜群です。


大学芋チップス 700円(税込)

カラリと揚げたさつまいもに、とろ~りと蜜をたっぷりかけた「大学芋チップス」。油っこさを感じさせない食感に黒ゴマの香ばしさがふわりと引き立ちます。スペシャルドリンクセットなら100円引きで楽しめるのも嬉しいポイント。谷中散策のお供にもおすすめですよ!

蜜芋研究所では奇をてらったメニューは扱わず、もともと存在していたものをより美味しくすることにこだわっています。人気商品であるプリンやバスクチーズケーキのほか、新商品としてクレープの登場も控えているのだそう。わくわくするような今後のメニュー展開からも目が離せません!

「蜜芋研究所」が誕生するまで

蜜芋研究所が現在の場所にオープンしたのは、今から3年前の2022年12月のこと。浅草でレストランを営む岡部シェフがフレンチで培った技術を活かし、新たに蜜芋研究所を開業しました。

フランス料理とは、方程式の料理であると語る岡部シェフ。イメージ力と細やかな工程への理解力、時間の管理が伴わなければ成り立りません。時間や加減が味を左右するサイエンスのような世界。今までの積み重ねで準備が整ってきたことを感じ、さつまいもに特化した“研究所”を開くことを決意しました。
地方を回るうち、農家の抱える後継者問題に直面したことも理由のひとつ。数ある食材の中でさつまいもを選んだのは、加工をせずに直接届けられる食材であることからです。細かく刻んでしまう食材は生産者の顔がイメージしにくいものですが、さつまいもであればそのままの姿でお客さんに届けることができる。こうした構想を3~4年あたためた後、蜜芋研究所が本格的に始動しました。

今の場所を選んだ理由には、焼き芋が江戸の庶民料理であったことへのこだわりが。川越がかつて江戸の文化を取り入れ“小江戸”として栄えたように。下町の雰囲気の中で店を営みたいという想いから、谷中という場所を選んだそうです。

スーパースターと育む

唯一無二のパートナーシップ


蜜芋研究所最大のコンセプトは『さつまいもの生産者をスーパースター、スーパーヒーローにする!』こと。全国から選りすぐった農家さんのさつまいもを厳選し、さまざまな火入れの方法で最適な焼き方を見極めます。

その年の芋のコンディションを見定めてから、年間のスケジュールを組むという徹底ぶり。生産者と素材の魅力を最大限に引き出すことを、何よりも大切にしています。数あるさつまいもの中でも岡部シェフが「天才」と称するのが、先に紹介した茨城県鉾田市にある市毛農園のシルクスイート。岡部シェフが3年連続で審査員を務める、さつまいも農家のコンテスト「さつまいもサミット」では、「さつまいもオブザイヤー(シルクスイート部門)」のグランプリを2年連続で獲得。さらには2024-25の「ファーマーズ・オブ・ザ・イヤー」を受賞しています。

長年の実験と試行の末に生まれる美しい形や色と艶やかな皮が最大の特長。水分量や甘みのバランスも優れています。開店初期からこのシルクスイートを焼き続けてきたという岡部シェフ。素材が持つ本来の旨みを最大限に活かす焼き方を日々研究しています。

数々の試行錯誤を重ねてきた農家とシェフのパートナーシップ。蜜芋研究所が提供する焼き芋は、それらが生み出した最高傑作であると言えるでしょう。

時間を惜しまず、究極の一本を

 
売り場の脇には、大人ひとりが横になって
ようやく通れるくらいの細い通路が。 
奥には芋農家さんを招いて話し合いをすることもあるという
特別なスペースが広がります。

最高のさつまいもを選んだ後は、さつまいもを寝かせる(追熟)期間も欠かせません。デンプンが酵素の働きで糖に変わり、甘みがグッと増す大切な工程です。一般的には、糖度が50~75度になるまで約90日寝かせるのが定説。こうして甘みとコクが格段にアップし、しっとりとした理想のさつまいもが出来上がるのです。

家にあるお芋が甘くない…といった筆者の悩みには「新聞紙にくるんで涼しいところに1カ月置いてみてください」とのアドバイスが。家でもできる“お芋ハック”を教えていただき、ちょっぴり得した気分でした。ただし、これは加熱中に起こる糖化とは別の話。焼きの段階では、芋の水分を細かく調整することが重要となってきます。

一般的に焼き芋といえば、
① 直焼き(アルミホイル包み)
② 石焼(遠赤外線・ほぼ直火)
③ つぼ焼き(練炭の熱を滞留させる)

この3つが主流ですが、蜜芋研究所では“遠火”を極めた特別な窯を使用。研究所長・岡部シェフ自ら開発したオリジナルの窯で焼き上げています。火から最大60cm離して焼くことができることが利点。じっくりと水分をコントロールすることで、さつまいもの持つポテンシャルを最大限に引き出します。取材で訪れた数々の芸能人からも、高い評価を受けている蜜芋研究所の焼き芋。時には、舌の肥えたフレンチのシェフたちに試食をお願いすることもあるそうです。厳しいプロの評価をあえて受けにいくからこそ、確かな手ごたえを。シェフが手間暇かけて作り上げた焼き芋をこの価格で食べられること自体が奇跡なのでは…?と思わずにはいられません。
「それだけの試行錯誤を重ねていると失敗することも多いのでは。」と尋ねると、岡部シェフは少し怪訝そうに首をかしげました。「失敗とは…?」そして続いたのは、「思い通りにいかない場合はアプローチを変えるだけ。」という言葉。そこには、“失敗”という概念自体が存在しないことが滲み出ていました。

センス良く整えられたバックヤードでは、ジミー・クリフの名曲 “You Can Get It If You Really Want” が流れています。「本当に欲しければ手に入る。挑戦して挑戦して、最後には成功できる――。」そんな前向きな歌詞は、まるで岡部シェフ自身のライフスタイルを映し出しているかのようでした。

研究所長・岡部勝義氏とは

数々のメディアに出演し、日本のさつまいも界を牽引する存在でもある岡部シェフ。日本最大のさつまいも評価会「さつまいもサミット」では2023〜2025年の審査員を務め、茨城県主催の「全国ほしいもグランプリ2025」では審査員長も任されました。

高校の調理科を卒業した後は都内近郊の有名ホテルやレストランでフレンチをメインに修業を重ね、高校時代から数えると料理歴はなんと30年以上。2013年には浅草にライフフードレストラン「et vous?(エヴ)」をオープンしました。

2017年には茶道裏千家から茶名「宗勝」を拝受。江戸の料理文化とフランスの料理を独自の感性で再構築した料理を“EDO Cuisine(エドキュイジーヌ)”を確立。『どんな方でも美味しく楽しめる料理を届けたい』挑戦を重ねるたび、新しい縁や人とのつながりが広がっていくことに目を輝かせます。


蜜芋研究所では、一部の商品パッケージにも
musubiteのアートが取り入れられています。

岡部シェフは知的障害者が描いたアートを通じて“アートで社会を変える”ことを目指すmusubiteの理事長も務めています。背景にあるのは、「障害のある子を育てる親の負担を少しでも減らしたい」「支援がなくても自立して生計を立てられる未来を作りたい」という強い思い。

他の企業にも働きかけ、売上の一部をアーティストへ還元する仕組みづくりにも本気で取り組みます。少しでも良い世の中になれば…そう語るシェフの言葉には、料理人という枠を越えた真摯なまなざしが宿っていました。


多忙な岡部シェフは浅草のレストランと蜜芋研究所を行き来する日々。最後に、荒川区民へのメッセージをお願いすると、『私が不在のときも、お芋のプロフェッショナルが常駐していますので、いつでも気軽にお越しください!』との一言をいただきました。

今後も様々なイベントへの出店や新商品の企画が進行中。麻布台ヒルズや上野エキュートなど、人気施設への出張販売も行っています。

夏季はさつまいもを使用したかき氷や冷やし芋などといった具合に、季節ごとに異なるメニューも登場。最新情報はぜひSNSをチェックしてみてくださいね!

さつまいも農家さんが愛情をこめて育てたさつまいも。蜜芋研究所は、その想いを受け取りお客さんのもとへ最高の状態で届ける“アンカー”としての役割を担っていると岡部シェフは語ります。

農家さんの気持ちを無駄にすることなく、ベストな状態で提供することが蜜芋研究所の揺るぎないテーマ。さつまいもシェフが仕上げた最高のバトンを、あなたも受けとってみませんか?

蜜芋研究所
住所:荒川区西日暮里3-15-3
電話番号:03-6796-7601
公式インスタグラム:https://www.instagram.com/mitsuimo_kennkyujo/
営業時間:10:00〜19:00 (火水土は16:00頃まで)
定休日:月曜日 第1・3火曜日



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