モノづくりの街・荒川区の地域情報サイト

お知らせ

荒川探訪創刊に寄せて

2022年6月15日より、モノづくりの街・荒川区の地域情報サイト「荒川探訪 by ara!kawa」がスタートします。
今日は荒川探訪が生まれた経緯と想いについて少し説明させてください。

荒川探訪の取材や記事の作成を担当する私たち荒川探訪編集部は、株式会社ROOM810という荒川区に本社を置くデザイン会社です。
2008年の設立以来、登記上の本社住所はずっと荒川区だったのですが、2014年にオフィスも荒川区町屋へお引越し、本格的に荒川区に拠点を移しました。ひょっとすると町屋近辺を歩いていて、屋上に謎のオブジェがある青いビルを見たことがある方もいらっしゃるかも知れません。
ここで働いています。
「モヤモヤさまぁ~ず」などでも取り上げていただいて、少し有名になりました。

また、同じ荒川区町屋の城北信用金庫さんの裏でTOKYO L.O.C.A.L BASEという名前のカフェダイナーを経営しています。
会社は知らないけど、お店は知っている、という方もいらっしゃるでしょう。
引っ越しから8年、少しは荒川区に溶け込めたかなと思っている今日この頃です。

8年の間に、さまざまな出来事がありました。
私たちは社員7人で荒川区へやって来ました。今では社員の数は3倍以上に。
これは「荒川区という地域のお陰である」と実感しています。

正直なところ、私たちのようなデザイン会社は荒川区にはあまり数がありません。当初は自分たちも「荒川区にオフィスを構えて、仕事はあるんだろうか」「お客さんはうちのオフィスまで来てくれるだろうか」といった不安がありました。

しかし、驚いたのは荒川区へ越してきたあとに私たちのことを見つけて、私たちの会社で働きたいと思ってくれる人の数でした。
ずっと都心部のデザイン会社で働いていたが、結婚・出産を機に退職した、地元に戻った。再びデザインの仕事をしたいが、以前の職場まで通勤するのは今のライフスタイルでは厳しい。そんな想いを抱えた方が、「こんなところにデザイン会社があったなんて」と興奮しながら応募してきてくれました。

圧倒的な女性比率、従業員のママ率。相次ぐ従業員の幸せな知らせ。
荒川区への移転以来、自分たちの頑張り以上に私たちROOM810を育ててくれたのは「荒川区という土地」であることを実感しています。

また、職住近接という環境を実現する上でも、荒川区の恩恵は大きいものでした。
皆さんも良くご存知の通り、荒川区は近年住宅地として注目されています。独身の一人暮らし、夫婦ふたりのDINKS、子育て世帯に対応した賃貸マンションや一戸建て、すべて荒川区では職場からほど近い立地で手頃な価格で揃っていて、都心部で「職住近接が良いから住宅手当出すよ」とはとても言えないような小さなデザイン会社である私たちでも、かんたんに職住近接の環境を実現することができました。

働きたいと思ってくれる人、働き続けたいと思ってくれる人。
そんな人たちを私たちがこの数年ずっと確保して、増やし続けることができたのは、間違いなく荒川区というエリアのお陰です。

荒川区に何か恩返しをしたい。地域のために何かできないか。
という思いから、2019年にはNPO法人TOKYO L.O.C.A.Lという組織を立ち上げました。

元々は荒川区町屋へ越してきた時に「町屋」で検索すると最初に出てきたのが「東京で一番ヤバい、ガチな下町、町屋」という個人ページだったことにヒントを得て「町屋、荒川は東京で一番ローカルな街だって言うことにしようぜ」というブランディングで、仲間内でノリのように使い始めたキーワードが「TOKYO L.O.C.A.L」でした。TOKYO L.O.C.A.LとプリントされたTシャツを作り、移転前から取り組んできた東日本大震災の復興支援活動などに従事するなかで、「東京からわざわざありがとう」などと言葉をかけていただける度に、「こっちは東京で一番ローカルな街から来てますよ」「皆さんのイメージする東京とはちょっと違う」といった気持ちで、思い入れを持って使ってきた大切な言葉でした。

気が付けば、8年前に引っ越してきた時、ROOM810の周囲を埋め尽くすようにあった町工場は、どんどん減ってしまいました。
代わりに次々とマンションが建つ。住民が増えるのは嬉しいことですが、何か私たちが町屋に腰を落ち着けて定住しようと思った時に感じた魅力や、この中に入りたいと思ったコミュニティも少しずつ灯りが消えていくような危機感があり「この私たちが大切にしているTOKYO L.O.C.A.Lなエリアを守りたい、何かしたい」という気持ちがNPO法人設立に繋がりました。

そんな時に、8年の間に紡いだご縁で、地域に貢献するチャンスを二ついただきました。

ひとつは町屋に支店を置く城北信用金庫さんからのお声掛け。
町屋支店の横で地域経済を活性化させるような創業支援のインキュベーションオフィスを作りたいと思っている。インキュベーションオフィスの運営は自分たちでやるので、併設のコミュニケーションスペースとしてカフェが欲しい。オフィスとカフェのデザインをして、良かったらカフェの運営もROOM810でやらないか、というものです。

飲食店の経営は初めての経験でしたが、町屋って本当にオフィスが無いな、ネクタイをしてる人が少ないな、ただでさえ少ないのに町工場もどんどん減っていくなと思っていた私たちには願ってもない話でした。荒川区に創業を志す人が集まって、インキュベーションオフィスで企業を起ち上げる。起業家や経営者が集まって交流する。そんな賑わいのイメージが鮮明に浮かびました。

こうして完成したのが「創業支援のためのインキュベーションオフィス」と「カフェ形態のコミュニティ拠点」の一体型施設「COSA ON(コーサオン)」と、併設の私たちが運営するカフェダイナー TOKYO L.O.C.A.L BASE です。
あいにく、オープンしてすぐのコロナ禍で、地域のコミュニケーション拠点としての役割はまだまだこれから、というところですが、街にひとつ大きな接点を持つことができました。

そして、今日の本題である荒川探訪
荒川区には元々「ara!kawa」というモノづくりブランドがあります。荒川区が誇る多くのモノづくり企業の中で試行錯誤を繰り返しながら培われてきた技術、世代を越えて受け継がれてきた技と心。それらを地域の大きな財産として、荒川区から「あら、かわってる」「あら、かわいい」と言われるような製品を生み出すプロジェクトです。

荒川区でデザイン会社をやっているというご縁で、このモノづくりブランドのブランディング、プロジェクトの進行に関わる機会をいただきました。

最初に頭に浮かんだのは、「モノづくりだけをブランディングしてもダメだ」という思いでした。
確かに荒川区には魅力的なモノづくり企業も多いし、魅力的だけれどまだ世に知られていない商品も沢山ある。しかし、それを「荒川区のモノづくりは凄いぞ」だけで語ってしまっては、誰も好きになってくれない。ブランドの本質である「誰かにとっての特別な何か」にはなり得ないと考えました。

そこで、モノづくりをブランディングするにあたって、「ぜひ荒川区のストーリーや荒川区自体の魅力を紹介するWebメディアを作らせて欲しい」というお願いをしました。これが荒川探訪誕生のきっかけです。完全に非営利のWebメディアで、正直なところ、この荒川探訪の運営単体に何か費用を誰かからいただいているわけではありません。

私たちの荒川区が好きだ、荒川区は面白い、荒川区には魅力的なストーリーが溢れている、ちょっとひと癖あるようなコンテンツ(お店や会社)が沢山ある、という想いが、この荒川探訪運営の原資になっています。

荒川区には既に新しくできたお店の情報などを紹介される有志のメディアが幾つかあります。
私もいつも楽しみに見ているメディアです。
競合するつもりも邪魔をするつもりもありません。
そうした網羅的な情報よりも、ちょっと変わったストーリーを取り上げていきたい。荒川区ってこんな面白いことがあるんだ、という積み上げから、荒川区への興味を増やして、そこから荒川区のモノづくりへの興味へ繋いでいきたい。少し遠回りですが、そんなことを今考えています。

一昨日はTOKYO L.O.C.A.L BASEで開催された交流イベントで、荒川探訪を含む私たちが今進めている「荒川区のモノづくりブランディング」についてお話をする機会を頂戴しました。荒川区に来て8年、自分たちが荒川区について、そして荒川区の取り組みについて語る立場になれるなんて。とても嬉しい日になりました。

仕事の合間に進めていますので、そんなに毎日更新される活発なメディアでは無いかも知れません。
SNSで更新のお知らせをしながら、荒川区らしいゆったりとしたペースで、荒川区らしいお知らせを届けていきたいと思います。私たちが愛してやまない荒川区のモノづくりを担う町工場の皆さんへの取材なども、特集記事として取り組んでいきます。飲食店さんもすべて自分たちで取材をして、実際に食べて美味しかったお店を丁寧にご紹介していきたいと思います。

皆さんにとって、あたらしい荒川区を発見するきっかけになれば、こんなに嬉しいことはありません。
荒川探訪、どうぞよろしくお願いいたします。

2022年6月10日
荒川探訪 by ara!kawa
編集長 島健(株式会社ROOM810)

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