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【荒川区南千住】年に一度の天王祭は必見!地域を見守る「素盞雄神社」

御鎮座1200有余年!
二柱の神様をお祀りする下町の古社

このたび荒川探訪が紹介するのは、荒川区内でもっとも広い氏子区域をもつ素盞雄神社(すさのおじんじゃ)。地元では「お天王様」と呼ばれ親しまれている、地元61ヶ町の鎮守です。南千住駅からは、歩いて10分ほど。日本橋から日光東照宮へと延びる日光街道沿いに位置しています。(※氏子区域=氏神様がお守りする範囲。※鎮守=町の人々をお守りする神社。)


向かって左側の狛犬は、珍しい親子の姿。
社殿を守る大切な役割を担っています。

御祭神は素盞雄大神(スサノオオオカミ)と飛鳥大神(アスカオオカミ)、二柱の神様。素盞雄大神は八百万の神々の中でも最高位とされる天照大御神(アマテラスオオミカミ)の弟神で、日本神話ではヤマタノオロチを退治し三種の神器のひとつである「草薙の剣」を天照大御神に献上したといわれています。

「ヤマタノオロチ」から助けた稲田姫との間に多くの御子神をもうけ、出雲国須賀という地で幸せな家庭を築いたとされる素盞雄大神。別名、牛頭天王(ごずてんのう)と呼ばれることから「お天王さま」の呼称が根付いています。

飛鳥大神は出雲大社の主祭神である大国主神(おおくにぬしのかみ)の御子神。別名を事代主神(ことしろぬしのかみ)・一言主神(ひとことぬしのかみ)といい、善悪を一言で判断し得る明智を持たれた神様です。後世に福の神、商工業繁栄・商売繁昌の七福神のうちの一柱「えびす様」として崇敬されるようになりました。
神社に伺ったのは祭礼近づく5月の末。雲ひとつない青空のもと、心地よい初夏の風が参詣客によって奉納された小さな幟の鈴を鳴らしていました。

神社を取り囲むように建てられた天王祭の幟に、社殿に掛けられた61ヶ町の提灯。駅からの道のりにも祭礼が近づいていることを知らせる張り紙が貼られ、着々とお祭りの準備が進められていることが分かります。


神社創建の起源となった奇岩「瑞光石」は、
現在の周辺小学校の名称(第〇瑞光小学校)の
由来となっています。

素盞雄神社がこの地に開かれたのは、さかのぼること平安時代のこと。修験道の開祖役小角の高弟である黒珍(こくちん)が、住居の東方にある小高い塚の上にあった奇岩を霊場と崇め日夜お参りをしていたところ、延暦14年(795) 4月8日の夜に奇岩が突如光を放ち、素盞雄大神・飛鳥大神二柱の神様が翁(男の老人の敬称)に姿を変えて現れました。


瑞光石のそばに築かれた富士塚・小塚原富士。
荒川区指定文化財。

「吾れは素盞雄大神・飛鳥大神なり。吾れを祀らば疫病を祓い福を増し、永く此の郷土を栄えしめん。」二柱の神様のご神託により、黒珍は一祠を建て丁重にお祀りしました。やがて、それぞれの御社殿を建て、6月3日に素盞雄大神、9月15日に飛鳥大神の御神霊をお移しします。

4月8日の疫神祭、6月3日の天王祭、9月15日の飛鳥祭の祭禮日は、この御縁起によるもの。江戸時代享保12年(1727) には、相殿(一つの御社殿)として二柱の御祭神を御一緒にお祀りする「瑞光殿」が建てられました。

年に一度の天王祭!

迫力満点の神輿振り

毎年6月に行われる天王祭。3日の例大祭、前日の宵宮祭(よいみやさい)には、61ヶ町の総代や氏子参列のもと神事が執り行われます。

週末に行われる盛大な神輿の渡御では、二天の神輿振りが最大の見どころ。一般的に4本や6本の棒を井桁に組んで担ぐことが多いなか、素盞雄神社のお神輿は2本のみであることが特徴です。

屋根の鳳凰が地面につきそうなほど、左右に激しく振る神輿振りは都内でも大変めずらしいもの。毎年多くの見物客が、その迫力ある光景を一目みようと各地から訪れます。


御本社神輿渡御。(写真提供:素盞雄神社)

3年に一度の「御神幸祭(本まつり)」では、千貫神輿ともいわれる大神輿を筆頭に中神輿・小神輿(子供神輿)、3基の御本社神輿がお目見え。南千住・三之輪、三河島、町屋の61ヶ町にわたる氏子区域を渡御します。本まつり以外の年を「氏子まつり」といい、毎年100基を超える町神輿が各町内を巡行。素盞雄神社の天王祭は平成30年に荒川区無形民俗文化財に登録され、荒川区民の宝として世代から世代へと受け継がれています。

四季折々の景色が美しい。

文豪たちに愛された「飛鳥の杜」


古くより文化交流の場として知られていた素盞雄神社。境内全体を「飛鳥の杜(あすかのもり)」と呼び、多くの文人墨客に愛されてきました。
桃には悪いものを祓う不思議な力があると古くから言い伝えられていますが、春には神社創建の4月8日「疫神祭」に江戸時代から伝わる災厄除の白桃樹御守(桃の御守)ゆかりの桃の花で境内が彩られます。境内に咲く桃の花をお供えとし、2月下旬から4月上旬の「桃まつり」期間中は、氏子崇敬者から奉納された雛人形が境内各所に飾られます。まばゆい新緑の季節には、かわいらしい実をつけはじめる境内の桃の木。神楽殿には、黄綬褒章(おうじゅほうしょう)受賞者であり荒川区指定無形文化財保持者である鋳造家・菓子満(かしみつる)さんが手掛けた「桃の祓(はらい)」が飾られています。
桃は邪気をはらう霊木として古くより信仰されている植物。3つの桃にはそれぞれ「過去・現在・未来」を祓い清めるという意味が込められています。


子育ての銀杏。(写真提供:素盞雄神社)

秋は樹齢500~600年ともいわれる銀杏の葉が境内を黄色に染める季節。「子育ての銀杏」には、この木の皮を煎じて飲むと乳の出がよくなるという言い伝えがあり、太い幹には無数の絵馬が奉納されています。

初宮詣の際に奉納された絵馬はお祝いのお子様が7つの歳を迎えるまでお供えされ、その年の七五三詣の日にお焚き上げします。

矢立初めの句碑が立つ、

松尾芭蕉ゆかりの地

荒川区は、松尾芭蕉が江戸を出て旅に出発した「奥の細道」矢立初めの地。
「行く春や鳥啼き魚の目は泪」
神社境内には、芭蕉が詠んだ有名な一節が記された句碑(荒川区指定文化財)が建てられています。素盞雄神社の最寄り駅である南千住駅の西口駅前には、平成27年に松尾芭蕉の像が建立。こちらも矢立初めの地千住を象徴する南千住のシンボルとなっています。

御神前で一礼を。

地域の人々の安らぎの場所


年間を通して各種御祈願を受け付けている素盞雄神社。家内安全や厄除・災厄除など、荒川区の人々はもちろん区外からも多くの人々がさまざまな願いを胸に訪れます。平日の午前中にもかかわらず絶えず参詣客の訪れる境内。御神前を通るときに一礼するのは、長くこの地に住む人々にとって昔から伝わるマナーです。

境内にはほっと一息腰を下ろせる椅子や自動販売機も。保育園のお散歩コースにもなっているようで、地元の人々と神社との深い繋がりを感じます。


御朱印(ページ右)500円 
松尾芭蕉の記念印(ページ左)ご希望の方は、
「お気持ち」をお納めください。

近年では、若い人たちの間でも注目されている御朱印集め。素盞雄神社でも、社務所の受付時間内であれば受けることが可能です。写真は通常時にいただくことのできる御朱印ですが、令和7年6月1日~8日の祭礼期間は特別仕様の用紙での授与となります。
今回、荒川探訪が持参したのは、荒川区が誇るオフィスサニーによる「印傳のような紙の御朱印帳」。特殊な凹凸印刷技術で紙を革製のように仕上げ、手作業で作り上げられた製品です。同商品は、令和3年度ara!kawa認定商品に選ばれ現在荒川探訪商店 でも販売中です。

昭和100年に数えられる令和7年。今年も素盞雄神社では6月3日に例大祭として、除災招福・郷土繁栄祈願の神事が執り行われます。週末の7日(土)から8日(日)にかけてはお神輿でにぎわう氏子まつりが開催。今年のお祭りは、そんな熱気にあふれた荒川区で、地元の人々のエネルギーを感じてみてはいかがでしょうか。

素盞雄神社

住所:東京都荒川区南千住6-60-1
電話番号:03-3891-8281 (9時~18時)
ホームページ:https://susanoo.or.jp/


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