「荒川区」というと、昔ながらの下町情緒溢れるお店や街並みのイメージが大きいのではないでしょうか。実を言うと荒川区は今、時代にフィットしたまちづくりや、暮らしを豊かにしてくれるお店やスポットがたくさんある注目のエリアなんです。
ひっそりとした住宅街に突如現れるオシャレなお店。広々とした魅力溢れる公園、リノベーションで新しく息を吹き込まれたような素敵なスポットなど、モノづくりの街・荒川区を支える「暮らしに寄りそうスポット」を探訪してご紹介していくコーナー、それが「荒川くらし探訪」です。
今回の「荒川くらし探訪」は、区内の各銭湯で開催される荒川銭湯スタンプラリー2024 AUTUMN「デビュー銭(せん)」のご紹介。
これまで行って見たいけどなかなか行く機会のなかった銭湯デビューのきっかけになればと思います。
銭湯初心者から常連まで楽しめるこの銭湯スタンプラリーを通じて、古き良き銭湯や意外とモダンな銭湯を巡って、下町銭湯文化の魅力を再発見してみてください。
進化し続ける!老舗の銭湯
日暮里駅南口から徒歩3分ほどの場所に立つ「齋藤湯」は、90年もの歴史を持つお風呂屋さん。幾度かのリニューアルを経て、時代に沿った進化をし続ける老舗の銭湯です。湯上りに生絞りフルーツのスカッシュが味わえるなど、独自のサービスを提供していることも人気のポイント。ここでは、そんな斎藤湯の魅力をご紹介いたします。
1934年(昭和9年)創業の斎藤湯。その歴史は、現店主の祖父母が三河島で「谷中湯」という銭湯を営んでいたことから始まります。1948年(昭和23年)に今の場所を買い取ることで、屋号を改め斎藤湯を開業。リニューアルを繰り返しながら、2015年(平成27年)4月には、モダンでかつ昔ながらの風情が味わえる現在の姿に生まれ変わりました。「良いものを残しながら、時代に合わせてアップデートしていく。」3代目店主である齋藤さんがそう語るように、銭湯内には歴史ある納戸や最新のジューサーなど、新旧のあらゆるものが混在しています。
現在店主を務めるのは、東京都公衆浴場商業協同組合の荒川支部総務である斉藤勝輝さん。柔軟な発想で新たなサービスを次々に取り入れていく、齋藤湯の開拓者です。
実は齋藤湯は日本における最後の“三助”が存在したという特別な歴史を持つ銭湯。江戸時代中頃から活躍した職業で、男女問わず入浴客の背中を流すというものでした。昭和中頃に最盛期を迎え時代と共に衰退していったサービスですが、なんと齋藤湯にはつい10年ほど前までその三助が存在していたのだそう。現在、“流し”のサービスこそありませんが、そのスピリッツを継いだ従業員たちが、訪れるお客さんをおもてなしの心でお迎えしています。
露天風呂も!多彩なお風呂の数々
波打つような形状の高い天井が特徴的な、解放感あふれる浴場内。両方向に窓が設えられているので、双方から明るい陽の光が差し込みます。洗い場で控えめに存在感を放つのが、富士山のタイル絵。窓の外には竹塀や石灯籠が備わり、涼し気な印象を与えてくれています。
齋藤湯自慢の“高濃度人口炭酸泉”は、お湯の中に溶け込んだ炭酸ガスが体内に吸収され、血行を促進するというもの。関節痛や筋肉痛の原因となる乳酸の減少を早める効果もあるので、スポーツ選手の間でも注目を集めています。Ph4,5の弱酸性のお湯は肌の弱い人にもぴったり。神経がリラックスするため入浴後は熟睡できること間違いなしですよ!
露天風呂(シルキー風呂)があるのは、ビーチチェアーが火照った身体を冷やしてくれる解放的な空間。ミクロの気泡が身体中をマッサージし、新陳代謝を活発にしてくれます。無色透明のお湯が、スイッチを入れるとひとたび乳白色に。無数の細かい粒子で美肌効果も期待できます。(※取材時はビーチチェアーを撤去して撮影)
斉藤湯のお湯は全て肌に優しい軟水を使用。美人の湯といわれるナトリウム温泉に近いイオンバランスで、お肌もつるつるに潤います。石鹸やシャンプーも泡立ちやすいことが特徴。小さな赤ちゃんからお年寄りまで安心して楽しめる、万人向けのお風呂です。
洗い場をはじめ、入念に清掃された浴場内。はじめての人にも訪れやすい雰囲気で、訪日外国人客が多いことも頷けます。シャワーブースには、一般的な銭湯には珍しいレインシャワーが。高級ホテルのようなアイテムに、ちょっぴりリッチな気分が味わえますよ。
お風呂上りに!至福の一杯
生オレンジスカッシュ500円(税込)
齋藤湯は、美味しいビールを提供するプロフェッショナルである“ビールマイスター認定店”。薄張りの認定店限定グラスでいただく湯上りのビールは格別のおいしさです。オリジナルの「生オレンジスカッシュ」は女性を中心に人気のメニュー。グラスに貼られたかわいらしいステッカーは、斉藤さんのお孫さんによるデザインです。生絞り機“カジュッタ”は、某フードイベントで出会ったことをきっかけに導入することを決めたもの。搾りたての果汁に少しだけ炭酸をプラスした爽やかテイストで、追加料金を支払えばジンをプラスすることもできますよ!
大切なのは、下町銭湯の“魂”
継続的に足を運んでもらうためには“魂”が大事。
現在20人近くもの従業員が在籍する齋藤湯。斉藤さんは従業員の皆さんに「お客さんへ5回の声掛けを」と伝えています。湯を沸かすのは機械だとしても、それらがきちんと動いているか、お客さんが満足してくれているかを確認するのは人間にしかできないこと。そういった日々の心配りが、お客さんに再び足を運んでもらうことに繋がるのだと教えてくださいました。
この先も、胸を張って「風呂屋をやっている」といえるような職業にしていきたい。
そんな想いが、これからの銭湯業界を支えていくのでしょう。下町ながらの銭湯スピリッツを味わいに、齋藤湯に足を運んでみませんか?
荒川銭湯スタンプラリー2024 AUTUMN 「デビュー銭」
開催期間:2024年10月1日(火)~2024年11月30日(土)
参加方法・詳細は荒川銭湯スタンプラリー特設サイトをご覧ください
特設サイト:https://arakawa.news/stamprally/
問い合わせ:荒川銭湯スタンプラリー事務局(arakawa.sento@gmail.com)
齋藤湯
営業時間:14:00〜23:00
定休日:金
入浴料金:大人550円/中学生300円/中人(小学生)200円/小人(未就学児)無料(2024年8月現在)
TEL:03-3801-4022
住所:荒川区東日暮里6-59-2
モノづくりの街・荒川の地域情報サイト「荒川探訪」では、荒川区の気になる情報をご紹介しています。
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