荒川区民に「荒川グルメといえば?」と尋ねると、多くの人が「もんじゃ焼き」と答えます。
荒川区はもんじゃ発祥の地ですよ、と区民は聞かされて育つのですが、都内に住む多くの人は「もんじゃ焼きと言えば月島(東京都中央区)」と思っていることでしょう。発祥であろうがなかろうが、荒川区のもんじゃは美味しい。下町の雰囲気も含めてもやはり一番美味しいのです。食の楽しみ方はひとぞれぞれ。特別な何かは無いけれど、ちょっと個性的だったり、変わっていたり、ほっとひと息つける場所。そんなモノづくりの街・荒川を支えるグルメを探訪してご紹介していくコーナー、それが「荒川グルメ探訪」です。
八丈島生まれのラーメン店
今回の荒川探訪では、2024年3月にオープンしたばかりのラーメン店「麺’s club 酒池肉林 東京荒川」をご紹介!お店が位置するのは、三河島駅から徒歩1分ほどの荒川なかまち商店街沿い。すぐ近くには“脚気”にご利益があるという三河島稲荷神社が鎮座しています。
麺’s club 酒池肉林 東京荒川(以下、「酒池肉林」)は、八丈島にある本店から暖簾分けする形でオープンしたラーメン店。伊豆大島にも店舗を構え、三河島が3店舗目となります。オーナーを務めるのは、八丈島出身の山口さん。もともとはアパレル関係のお仕事をされていたそうですが、島に里帰りした際に「酒池肉林」のラーメンを食べ、家族みんなが美味しいと惚れ込んだラーメンを、オーナーの協力のもと出店できる事になったそうです。お店を切り盛りするのは、店主の信頼するお仲間たちと気配り上手な店主の奥様。3人のお子さんたちには、オープン直前までお店を開くことを内緒にしていたのだそうですから驚きですね!
某男性アイドルグループのメンバーをミックスしたようなお名前の山口さん。 荒川探訪のスタッフとはもともと別のお仕事での関わりがあったことから、「メンバーさん」の愛称で親しまれています。 もうもうと湯気の上がるサウナのような厨房から、元気よくインタビュー取材に応じてくださいました!
幼いころからお父様のお仕事の関係で関東各地を転々としていた山口さんですが、毎年夏になると決まって八丈島を訪れていたのだとか。生まれ故郷の八丈島から、居を構える三河島へ。島で生まれた秘伝の味を、荒川の地で提供しています。
ツウも納得!こだわりの一杯を
「濃厚魚介豚骨ラーメン」 ¥950(税込)
まずはじめにご紹介するのは、酒池肉林の看板メニューである「濃厚魚介豚骨ラーメン」。カツオやマグロなどを配合した八丈島の魚介出汁が、豚骨スープの旨味を引き立てます。麺は食物繊維やビタミンミネラルを含んだ身体にやさしい全粒粉。濃厚スープがモチモチ麺にしっかりと絡み、多幸感を与えてくれますよ。
チャーシューは、噛み応えのある厚切りタイプ。冷凍庫から出して1日、冷蔵庫から出してまた1日と少しずつ柔らかくします。仕上げに全体を炙って香ばしさをプラス。チャーシューを煮るのに使用したお醤油は、濾してから煮卵などのさまざまなメニューに活用されているそうです。
「ピリ辛濃厚魚介豚骨つけ麺」 全部のせ ¥1,200(税込)
「ピリ辛濃厚魚介豚骨つけ麺」 つけ汁の上に振りかけられた真っ赤なパウダーのラインが、“ピリ辛”の目印です。
辛いのがお好みの方には、先ほどの濃厚魚介豚骨に秘伝のピリ辛醤とラー油を加えた「ピリ辛濃厚魚介豚骨ラーメン」がおすすめ。ランチタイムにはつけ麺も登場します。茹で時間が通常のラーメンよりも長くかかってしまうことから1日限定20食の数量限定。(夜営業時はいつでも注文可)今回は、自慢の味玉と島海苔を贅沢に盛りつけた「ピリ辛濃厚魚介豚骨つけ麺 全部のせ」をオーダーしました。脂分が辛さを中和し、まろやかでクリーミーな口当たりに。追加トッピングには、八丈島の日差しを浴びて育った島唐辛子がおすすめです。
「島海苔ラーメン」 ¥1,200(税込)
八丈島発祥の肉林が誇るイチオシメニューは、インパクト大の「島海苔ラーメン」。定番の塩ラーメンに、これでもか!と島海苔を乗せた真っ黒な見た目が特徴です。器を縁取る板海苔は有明産。スープにはお隣、青ヶ島の“ひんぎゃの塩”を使用しています。潮の香りをたっぷり含んだ島海苔とも相性抜群。伊豆諸島の風を乗せた入魂の一杯を、ぜひ一度味わってみてくださいね。
ラーメンの湯気が立ち込めた厨房内。ふわふわの海苔を湿気から守るのは至難の業では?と尋ねると、水分を吸ってパンパンになった乾燥剤をたくさん見せてくださいました。
お酒に合うおつまみも!
「肉林餃子」 ¥500(税込)
お仕事帰りに一杯!という方々のために、酒池肉林ではお酒に合うおつまみメニューも提供しています。ニラやひき肉がギュッとつまったオリジナルの餃子は、パリッとした焼き加減にこだわった酒池肉林の自信作。じゅわっと口の中に広がる肉汁に、癖になりそうな独特の甘味が後をひきます。まずは何もつけずに、焼きたての味を。柚子胡椒を付けての味変も、ぜひお楽しみくださいね。
「酒池のうふたま」 ¥500(税込)
フランス語で“卵”を意味する「ウフ」。ゆで卵を使用した“ウフマヨ”は、今や居酒屋などでも目にするようになりました。「酒池肉林のうふたま」は、そんな人気の一品を酒池肉林風にアレンジしたもの。半熟トロトロ卵の上に、たっぷり島海苔を振りかけて。ごま油の香りが食欲をそそる、おつまみにぴったりの一品です。
「こうばし茶ハイ」 ¥500(税込)「おかわり中」(焼酎+水)¥400(税込)※夜のみ提供
店主イチオシのドリンクメニューは、水だし玄米緑茶を使用した「こうばし茶ハイ」。体内の脂を分解してくれるので、ラーメンのお供にも最適です。飲み終わった後のティーバッグは再利用しておかわり可能。“中(ナカ)”を足すことで3~4杯、楽しむことができますよ!
キラリと光る!モノづくりの感性
全7席あるカウンター席。店主自らDIYで、より居心地の良い空間になるようにと手を加えました。入口には手書きの「おじゃりやれ」(八丈島の方言でいらっしゃい)の文字。スタッフTシャツをはじめ、店内にあるポップやメニューも全てご自身でデザインしたそうですよ。
ラーメンの一杯一杯にも、モノ作りの精神が活かされた酒池肉林。最も時間をかけて作られているのは、醤油ベースの“かえし”です。日本各地の醤油や八丈の“うみかぜ椎茸”などこだわり抜いた食材をふんだんに使用。時間をかけて作り上げることで素材の味が引き立ち、深くて丸みのある味になるそうです。季節ごとの特別な限定メニューもお楽しみのひとつ。夏季はさっぱりサラダ感覚で食べられる冷製ラーメンや伊豆諸島の素材を活かした、つけ麺を提供しています。いずれも昆布水の効果で腸活が期待できるもの。秋以降は、涼しい季節に合うこってりメニューを考案中だそうですよ。
オープンからわずか3か月にもかかわらず、大手ラーメン情報メディアからの取材も決定しているという酒池肉林。今間違いなく注目度急上昇中のお店ではありますが、行列ができるお店よりも地元の人々にいつも食べにきてもらえるようなお店でありたい。そして「また食べたい」と思ってもらえるようなラーメンを作りたい、と店主は語ります。ご家族での夕食時に、飲み会後の締めの一杯に!ぜひ一度、足を運んでみてくださいね。
麺’s club 酒池肉林 東京荒川
営業時間:11:00~14:00 18:00~24:00
定休日:なし
TEL:03-6806-6699
住所:東京都荒川区荒川3-63-3 1F
Instagram:https://www.instagram.com/nikurin.tokyo/
モノづくりの街・荒川の地域情報サイト「荒川探訪」では、荒川区の気になる情報をご紹介しています。
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